中国チベット自治区生態環境科学研究院によると、同自治区では現在、2024年度の典型的氷河フィールド調査と末端自動モニタリング設備の設置が行われている。調査結果は、高原の気候と氷河の変化、氷河の水資源動態、氷河縮小エリアの生態環境変化などの評価に科学的根拠を提供する。新華社が伝えた。
今回のモニタリングは自治区内の7つの典型的な氷河で実施。氷河の規模はいずれも20平方キロ以上で、標高3843~7010メートルの範囲内に分布している。調査団はチベット自治区生態環境科学研究院、中国科学院、水利部(省)成都山地災害・環境研究所の研究者で構成された。
中国科学院、水利部成都山地災害・環境研究所の劉巧研究員は「新たに設置された設備は5分ごとにデータを1回収集し、リアルタイムで記録する。これは長期的なデータ蓄積の過程だ。集められた現場モニタリングデータは、あらかじめ関連する保護措置と適応対策を講じることを目的として、氷河の変化プロセスや川下の水資源、生態、災害環境への影響のモニタリング、記録、評価に用いられる」と説明した。
同自治区生態環境科学研究院のエンジニアである鄭倩倩氏は「今回の調査は主にリモートセンシング衛星モニタリング、サンプル採取、ドローン撮影・測量などの技術的手段を通じ、氷河とその水文プロセスや氷河生態系構造・機能などの研究目標について、典型的な氷河の変化の特徴や水文プロセスなどの調査を行う。チベットの気候変動を背景とする氷河そのものの変化法則や、氷河の変化が引き起こす水文・水資源・生態環境への効果評価を全体的に実施する」と説明した。