人工知能(AI)熱が高まる中、中国ではAI人材の採用ブームが起きている。求職・求人サイト「猟聘」のデータによると、2024年第1四半期(1~3月)におけるAI関連求人数は前年同期比321.7%増加し、求職者も946.84%増加した。現在最も人手が不足しているのは大規模AIモデル・アルゴリズム関連のポストで、有効求人倍率は約6倍という状況だ。中国新聞網が伝えた。
大規模AIモデルは、激しい競争が行われるレッドオーシャンとなりつつある。データによると、今年4月末時点で中国国内には計305の大規模AIモデルが存在する。
給与面では、年収50万~70万元(1元=約21円)が一般的な水準で、100万元以上や200万~300万元も業界では珍しくない。
「現在の市場を見ると、雇用する企業側、特にハイテク企業やIT企業によるAI人材の争奪戦がかつてないほど激しくなっている」。ある求人企業の責任者はこう語る。「AI人材を引き付け、引き留めるために、多くの企業が高額な給与を提示している。こうした待遇が、AI人材市場の競争を一層激化させていることは間違いない。一部の大企業は国内市場にとどまらず、求人範囲をグローバルに拡大し、AI分野の研究と応用を強化している」。
ビジネス系SNS「脈脈」のデータによると、大規模AIモデル開発技術者の平均月給はすでに5万4000元を超えている。高給職種トップ10では、大規模AIモデル・アルゴリズム関連の新規求人が平均月給6万7000元で首位となり、半導体設計、デジタルフロントエンドエンジニアがこれに続く。
今年上半期(1~6月)にAI人材の求人数が最も多かった企業は、字節跳動(バイトダンス)が1位、小紅書が2位で、螞蟻金服(アント・フィナンシャル)、美団、華為(ファーウェイ)が続いた。給与面では、ファーウェイが大規模AIモデル人材に5万5000元の月給を提示しており、大手企業の中で最高水準となっている。
アルゴリズム人材以外では、ブランドやマーケティング、セールスなどの人材もAI企業の次なる求人ターゲットとなっている。