中国国家林業・草原局生態保護修復司の郭青俊一級巡視員は、自然資源部(省)がこのほど開いた記者会見で「中国の森林・草原のカーボンシンクは現在、年間12億トン以上で世界トップになっている」と述べた。中国新聞網が伝えた。
郭氏は「専門家の予測によると、2060年における中国の排出が避けられない炭素量は二酸化炭素(CO2)換算で約25億トンとなる。森林や草原がその半分以上を吸収・固定できるため、森林や草原のカーボンシンクは、カーボンニュートラル目標の達成における『安定装置』で、かけがえのない役割を果たしている」と述べた。
いかにして森林・草原生態系のカーボンシンク能力を強化し向上させるのか。郭氏は「第一に、森林や草原の面積を広げ、その炭素プールを増やす。第二に、森林・草原資源の質を高め、カーボンシンクを増やす。第三に、森林・草原資源の保護を強化し、炭素プールの損失を減らす。第四に、木材と竹の代替案を実施し、生物の炭素固定効率を高める」と述べた。
国家林業・草原局は22年に18の林業カーボンシンク試行市(県)と21の国有林場で、森林カーボンシンクの試行プロジェクトを開始。地方に対してカーボンシンクの強化・向上技術、測定モニタリング方法、カーボンシンク製品開発、価値実現メカニズムのイノベーションを積極的に模索するよう奨励している。郭氏は「試行機関は2年近くの取り組みを経て、各地の実情に合ったカーボンシンク強化・向上実施案を策定した。カーボンシンク測定モニタリング方法を実践し、林業カーボンシンク応用シーンを革新し、カーボンシンク強化・向上の効果的な手段と価値実現モデルを検討している」と述べた。