2024年08月19日-08月23日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年08月19日-08月23日 >  グリーン電力で人工ダイヤモンドを生産 600時間で40カラット

グリーン電力で人工ダイヤモンドを生産 600時間で40カラット

2024年08月22日

 天然ダイヤモンドは、地下数百キロの高温・高圧環境で1億年の時間をかけて形成される。しかし中国河北省囲場満族モンゴル族自治県ではわずか1カ月で、天然ダイヤモンドに匹敵する人工ダイヤモンドが作られる。中国新聞網が伝えた。

 同県にあるダイヤモンド「育種」作業場では、種結晶の植え付け、堆積、スライス、エッチングなど一連の工程を経て、透明なダイヤモンドが作られていた。技術者によると、マイクロ波などのイオン気相成長法によって炭素ガスを電解すると、水素が気体として排出される。炭素は1時間当たり6~10マイクロメートルのペースで種結晶の上に一層ずつ堆積し、均等なダイヤモンド層が形成される。こうして約600時間で1カラットのダイヤモンド原石が出来上がる。1つのコンテナ育成作業場で毎月約100カラットのダイヤモンドを成長させることができる。

 人工育成ダイヤモンドの特徴は、ゼロ汚染とゼロエミッションだが、エネルギー消費が多い。40カラットの人工ダイヤモンドを成長させるためには、28キロワット(kW)の設備を600時間連続で稼働させる必要があり、約1万6800キロワット時(kWh)の電力が消費される。企業の責任者は「囲場に生産拠点を建設したのは、現地のグリーンエネルギーが豊富で、われわれの需要が満たせることを考慮したからだ」と述べた。

 囲場満族モンゴル族自治県は年間有効風力時間が5475時間、年平均日照時間が3000時間となっている。風力・太陽光発電の資源が非常に豊富で、クリーンエネルギーによる企業誘致が進められている。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます

中国科学技術ニュース 2024年08月

サイエンスポータルチャイナ事務局が、中国の科学技術に関するニュース記事を人民網と共同通信の記事より選んで、日々届くフレッシュなニュースとしてお届けしています。

下記よりご覧ください。

共同通信提供月別バックナンバーリスト

 

人気記事


 
 
APRC運営ウェブサイト


中国関連ニュース 関連リンク