中国北京市初のドローン配送路線が16日、八達嶺長城(万里の長城)風景区で開通した。この「空中回廊」の開通により、観光客に熱中症対策グッズや緊急時用の物品などを届けることが可能になるほか、風景区での観光体験がさらに向上し、緊急時の対応能力も高まる。新華社が伝えた。
同路線の配送ポイントは、八達嶺長城南城の延長線にある南九城楼に設置された。配送ポイントでスマートフォンを使って2次元バーコードをスキャンして、デリバリープラットホームにログインして注文すると、5分ほどで、小型ドローンが薬や飲料水、日焼け防止グッズ、食品などを届けてくれる。
八達嶺長城南城の延長線にある南九城楼は、2023年末に一般公開された。長城の外見をそのまま保護することを考慮して、同エリアには商業施設が全く設置されておらず、観光客は現地で飲料水などを購入することができない。こうした問題を解決すべく、八達嶺長城風景区は、配送プラットフォームと提携し、延慶区と結ぶ北京初のドローン物流配送路線を開通させた。
ECプラットフォーム、美団のドローン業務責任者である毛一年副総裁によると、現地まで歩くと50分かかるが、ドローンを使うと5分で観光客に商品を届けることができる。商品を届けたドローンはゴミを載せて元の場所に戻るため、長城の運営維持に必要な人件費の削減にもつながるという。