中国科学院院士(アカデミー会員)で第2回青蔵科学調査隊隊長の姚檀棟氏は18日、チベット自治区ラサ市で今回の科学調査における重要成果を発表した。新華網が伝えた。
青蔵高原(チベット高原)の生態系は全体的に改善傾向にあり、「アジアの給水塔」が超高温多湿段階に入る見込みで、最も古い人類活動は19万年以上前に行われた可能性がある......。
科学調査によると、青蔵高原は過去15年で温暖化、湿潤化、緑化が進み、生態系は全体的に改善傾向を示している。しかし、温暖化と湿潤化によりアジアの給水塔としてのバランスが崩れ、懸念をもたらしている。科学調査モデルの予測によると、アジアの給水塔は21世紀に超温暖化・超湿潤化の段階を迎え、21世紀末には一部地域の氷河物質の半分以上が失われるという。
さまざまな希少種が生息する青蔵高原で、生物多様性の新たな発見もあった。ベンガルトラが頻繁に姿を現していることは、メトク地区における生態系の構造的・機能的完全性を示すもので、絶滅危惧野生動物の保護において重要な役割を果たす。第2回青蔵科学調査ではこれまで3000以上の新種が発見されており、内訳は動物205種、植物388種、微生物2593種となっている。
科学調査によると、青蔵高原の最も古い人類活動は19万年以上前に行われた可能性がある。科学研究チームはラサ市邱桑村で今から16万9000~22万6000年前の世界最古の岩面芸術を発見した。
研究チームはまた、青蔵高原北東部の白石崖溶洞遺跡で、少なくとも16万年前のデニソワ人の下顎骨の化石を発見した。これにより、デニソワ人が青蔵高原の高標高地域で生活していたことが明らかになった。研究者によると、デニソワ人はエリア内のさまざまな動物を利用でき、幅広い食性を持っており、高標高環境への高い適応力が明らかになった。
