中国国家林業・草原局はこのほど会見を開き、国家公園が野生ジャイアントパンダ生息地の7割以上を保護していると明らかにした。科技日報が伝えた。
中国は2021年、三江源やジャイアントパンダ、アムールトラ・ヒョウ、海南熱帯雨林、武夷山などの国家公園を初めて設立した。ジャイアントパンダ国家公園は四川省、陝西省、甘粛省に跨り、区画内の総面積は2万2000平方キロとなっており、四川エリアはジャイアントパンダが生息する中心地となっている。
四川省林業・草原局(ジャイアントパンダ国家公園四川省管理局)の陳宗遷副局長は「四川エリアの面積は1万9300平方キロで、7市(自治州)と20県(市・区)に跨る。1万3900平方キロのジャイアントパンダ生息地をカバーし、1227頭の野生パンダがここに分布している。同エリアはパンダの重要生息地と重点生態回廊に焦点を絞り、約54平方キロの生態修復を実施している。生態系の機能が持続的に好転し、保護対象の個体数も安定的に増加しており、中国国内の64.8%の野生パンダを効果的に保護している」と述べた。
陳氏はまた「現在、ジャイアントパンダの野外個体数が大幅に増加している。拖烏山や泥巴山、二郎山などの重要生態回廊修復エリアでパンダの活動を32回発見している。四川エリアの重点エリアにおけるパンダの数は50頭増加し、年間遭遇数は178頭から185頭に増えている」と補足した。
四川省雅安市石棉県の公益海エリアでは、パトロール保護スタッフが2頭のパンダによる求愛の様子を撮影し、現場で糞便を採取した。分析した結果、この2頭は野生復帰した「淘淘(タオタオ)」と「華妍(ホワイェン)」だったことが判明した。
陳氏は「亜成獣のジャイアントパンダが野生復帰し、成長した後に現地の個体群に溶け込み、繁殖に加わった確かな証拠が初めて得られた。これはジャイアントパンダ野生化活動の新たな成果を示すものだ。またジャイアントパンダという『アンブレラ種』を保護することで得られる効果も顕著となっている。四川エリアでは、パンダ以外にもキンシコウやユキヒョウ、イチイなど8000種以上の希少動植物も優れた状態で保護されている」と説明した。
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