2024年02月01日-02月02日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年02月01日-02月02日 >  パンダの野生個体群、1900頭近くに増加

パンダの野生個体群、1900頭近くに増加

2024年02月01日

 中国国家林業・草原局によると、中国国内のジャイアントパンダ野生個体群の個体数が、1980年代の約1100頭から1900頭近くまで増加した。また、世界の施設でのパンダ飼育頭数は728頭になった。科技日報が伝えた。

 パンダは中国の固有種で「国宝」とされている。パンダの保護を強化するため、中国国内で全国的なパンダの調査がこれまで4回行われ、野生個体群の分布状況が確認された。その内容を踏まえ、自然林保護や「退耕環林環草」(耕作地を森林・草原に戻すこと)、野生動植物保護、自然保護区建設などの重点生態プロジェクトが実施され、パンダの野生個体群と生息地の保護が進んでいる。

 国家林業・草原局動植物司の二級巡視員である張月氏は「2021年10月にジャイアントパンダ国家公園が設立された。総面積は2万2000平方キロ以上で、約72%の野生パンダが保護された。これにより、パンダ生息地の連続性、連携性、完全性が高まり、ジャイアントパンダ国家公園を中心とした生息地保護体系が形成された。パンダ生息地の保護面積は139万ヘクタールから258万ヘクタールに拡大し、パンダ野生個体群の安全と持続可能な発展が効果的に維持されている」と説明した。

 中国では60年代よりパンダの人工繁殖が始まっており、施設で飼育中のパンダ個体群が徐々に増えている。

 張氏は「2023年には中国国内で46頭のパンダが誕生し、世界のパンダ施設での飼育数が728頭に達した。施設の飼育個体群の平均親族関係値が徐々に下がり、遺伝の多様性が上昇している。科学的評価によると、現在のパンダ施設の飼育個体群が90%の遺伝多様性を維持する期間は200年に達し、健康的で活力ある個体群となっており、保護研究、科学教育、野生復帰の土台を固めている」と語った。

中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安基地で暮らす「シャンシャン(香香)」。(資料写真)

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます