中国科学院深海科学・工学研究所によると、海洋哺乳類・海洋生物音響学研究所が主導した7回目の調査航海がこのほど終了した。今回の調査では、南シナ海の一部海域においてクジラ類の多様性が豊富で、深海潜水・遠洋型のクジラ・イルカ類が生息していることが確認された。科技日報が伝えた。
今回の航海は18日間行われ、航行距離は3300キロに達した。調査エリアは南シナ海北部の大陸棚、海山、トラフの海域に集中し、目視調査やパッシブ音響学モニタリング、環境DNA採取などを行った。第6回までの科学調査を踏まえ、クジラの種の多様性や個体群の現状、分布傾向などを調査した。
研究者は調査期間中、深海潜水・遠洋クジラの群れを計37回目撃した。うち深海潜水クジラ類は28回で、映像撮影などにより画像、動画、音声資料を取得した。
研究者が調査結果を分析したところ、今回の航海で目撃されたクジラ類は少なくとも12種で、うち深海潜水・遠洋類はマッコウクジラ、コビレゴンドウ、カズハゴンドウ、ハナゴンドウ、サラワクイルカ、マダライルカ、ハシナガイルカ、シワハイルカ、ハンドウイルカの9種で、ヒゲクジラは1種だった。
同研究所の李松海研究員は「これまでの航海と比べ、今回の航海ではマッコウクジラやサラワクイルカ、コビレゴンドウなど南シナ海でよく見られる深海潜水クジラ類の生態学、音響学、行動学データをさらに蓄積し、ハンドウイルカやカズハゴンドウ、シワハイルカなどの分布範囲をさらに拡大した。また、ヒゲクジラの南シナ海における野外記録を新たに追加し、位置と生息環境の情報を取得した」と説明した。