中国貴州省平塘県に位置する500メートル球面電波望遠鏡(FAST)は、単一口径が世界最大の電波望遠鏡で「中国天眼」と呼ばれる。そこから3キロも離れていない山で、40メートル級の電波望遠鏡の据え付け工事が始まった。これは「中国天眼」コアアレイ試作機の建造が開始されたことを示している。新華社が伝えた。
中国科学院国家天文台の姜鵬副台長は「中国天眼の周辺5キロ以内の優れた電磁波環境を利用し、24台の40メートル口径電波望遠鏡を建造し、FASTとコアアレイを構成する計画だ。コアアレイの建造で天眼の『視力』が大幅にアップし、より遠く、より鮮明に見えるようになる」と説明した。
姜氏はさらに「中国天眼だけで宇宙を観測するのは、太軸鉛筆を使い天体を描くようなものだ。それに対し、コアアレイはデジカメで星空を撮影するのに相当する」とわかりやすく述べた。
感度と分解能は電波望遠鏡の競争力を決めるコア指標だ。現在、国際電波望遠鏡計画第1段階「SKA1」や、米国の次世代電波望遠鏡計画(ngVLA)など、複数の電波望遠鏡アレイが建造中だ。姜氏は「これらの電波望遠鏡は完成・使用開始後、中国天眼の感度と分解能に挑戦をもたらす。中国の天文学は電波望遠鏡の最先端の視野を守れなくなる可能性がある」と分析した。
「中国天眼」の現在の感度は世界トップレベルで、コアアレイの建造により、その感度とイメージング能力をさらに高める。超コンパクト天体の起源や進化といった現在の天文学における最先端の問題に焦点を当て、時間領域天文学や、宇宙の組成と進化、重力波バーストなどの研究分野で画期的な成果を上げることが期待される。