移動式熱注入プラットフォーム「熱採1号」がこのほど、中国山東省威海市でドックを離れ、進水した。同プラットフォームの進水は、中国の海上重油熱攻法における重要技術の重要なブレイクスルーを示している。科技日報が伝えた。
重油は比較的粘度が高く、流動性が悪いため、一般的な原油の「低温採掘」という開発モデルとは異なり、熱攻法を採用している。「熱採1号」のコア能力は、高温・高圧の蒸気を油層に注入し、重油の動粘度を下げ、サラサラした採掘しやすい油にすることだ。
「熱採1号」の「強力な武器」となっているのは、プラットフォームの2層甲板に搭載された3セットの巨大蒸気ボイラーシステムだ。同システムは同時に6つの油井に温度300度以上の高温蒸気を高速で注入することができ、石油採掘プラットフォームの作業効率を大幅に高めている。
また、高度70メートル以上に及ぶ4本の杭脚は、プラットフォームが海域で移動作業を実現するための重要装置だ。「熱採1号」は海上石油採掘プラットフォームの重油熱注入を完了後、この4本の杭脚による自己昇降式構造によりロックを解除するとともに、タグボートで他の作業エリアに移動し、再び「根を下ろして」作業を開始する。これにより、渤海海域での熱注入の共有と重油熱攻法の大規模化を実現する。