中国工業・情報化部(省)の最新データによると、今年8月末現在、中国の5G基地局総数は404万2000カ所に達し、「すべての県でギガビット級光ファイバーが開通」し「すべての郷で5Gが開通」している。5G携帯電話ユーザーは9億6600万人に達し、携帯電話ユーザー全体の54.3%を占めた。中国新聞網が伝えた。
カバー範囲の広さの背景には強力な技術的サポートがある。中国では5G商用化がスタートしてからの5年間で、世界最大規模の5Gネットワークが構築され、5G関連特許は世界の42%を占めた。5Gは中国の経済・社会・生活に深く浸透し、実体経済がデジタル化、ネットワーク化、スマート化のトランスフォーメーションを推進している。
供給面では、5Gネットワークによるカバーのタイムテーブルを作成した。5年あまりで、各地・各部門が発行した各種支援政策文書は千件を超えた。チョモランマ(エベレスト)の標高6500メートル前進キャンプから新疆タリム盆地の深さ1万メートルの油ガス井まで、海南省三沙市の永興島から青蔵高原(チベット高原)の三江源(長江、黄河、瀾滄江<メコン川>の源流域)まで、中国はすべての地級市(省と県の中間にある行政単位)と県政府所在地の都市エリアで5Gネットワークのカバーを実現した。
また、5Gネットワークの建設コストを引き下げ、5G基地局の共同建設・共有を大きく推進している。激しい市場競争を繰り広げる4大キャリアの中国電信(チャイナテレコム)、中国聯通(チャイナユニコム)、中国移動(チャイナモバイル)、中国広電(チャイナブロードネット)だが、5Gネット建設では相次いで協力を進めている。一方、10年前に設立された電気通信会社の中国鉄塔(チャイナタワー)は資源の共有を深化させ、建設の重複を減らし、5G通信ネットワークの経済的で効率的な計画配置で重要な役割を果たしている。統計によると、今年8月末現在、新たに建設された通信用鉄塔の共有率は以前の14.3%から85.8%へと大幅に上昇した。これは新たに建設する鉄塔を112万4000基減らし、土地を約4333ヘクタール節約し、産業投資を2085億元(1元=約21円)以上節約したことに相当する。
需要面を見ると、商用化の初期段階から、中国における5Gの最大応用シーンは産業業界と政府であり、5Gによって多くの産業を活性化させると明確に打ち出してきた。「需要が供給を牽引し、供給が需要を創出する」高水準の発展モデル構築を促進し、「5G+車載ネットワーク(IoV)」「5G+インダストリアルインターネット」「5G+スマートシティ」「5G+スマート医療」「5G+スマート農業」などの重点産業における5G応用発展の方向性を決定した。
中国情報通信研究院が発表した「中国5Gの発展と経済・社会への影響白書(2023)」によると、23年に5Gが直接的に生み出した経済生産高は総額1兆8600億元、経済付加価値額は約5512億元、間接的に生み出した経済生産高は約4兆2400億元、経済付加価値額は約1兆5500億元だった。
今年に入り、中国では5Gは技術イノベーション、ネットワーク構築、融合応用などが力を発揮している。5Gネットワークが5G軽量化、5Gアドバンス(5.5G)へと高度化し、5Gのカバー範囲が「すべての県で通じる」から「すべての村で通じる」へと前進している。また、「5G工場」建設が加速し、「5G+インダストリアルインターネット」の高度化も進んでいる。