2024年10月21日-10月25日
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河南省の「無人農場」 ハイテクで農作業がスマートに

2024年10月23日

 秋の収穫シーズンを迎えた中国河南省の畑では、無人トラクターがトウモロコシの収穫作業を行っていた。新華社が伝えた。

 河南省安陽県瓦店郷広潤坡高基準農地モデルエリアの「無人農場」では、機械の轟音の中、「90後」(1990年代生まれ)の穀物生産者である張先智さんがスマートフォンで操作をしながら、四輪トラクターが茎をカットして走行するのを見守っていた。

 河南省では、先進情報技術の幅広い応用による「無人農場」の新モデルを模索しており、無人による耕作・播種・管理・収穫を徐々に実現している。

 安陽暁松専業栽培合作社の責任者である張さんは、自動運転トラクターを遠隔操作する携帯電話の画面を見せてくれた。小さな画面には走行速度や燃料残量など複数のデータ・情報が表示されていた。

 張さんは「無人農場には将来の幅広い応用の見通しがある。この自動運転トラクターはセンチメートル級の高精度自動運転が可能で、多くの人件費を削減できる。自動運転トラクターには自動起動・停止、農具操作、自動回避などの技術が搭載されており、さまざまなタイプの農地での作業に適し、農作業の質と効率を大幅に高める」と述べた。

 2022年に完成した安陽県「無人農場」の敷地面積は約66.7ヘクタール。先進的なIoT(モノのインターネット)、衛星リモートセンシング、人工知能などの技術により、自動化農業を実現した。各種自動運転トラクターや植物保護ロボットなどのスマート化設備の応用は、農業の生産性と資源利用率を大幅に高めている。

 安陽県農業農村局総畜牧師の来艶珍氏は「無人農場には複数の灌漑・植物保護設備が含まれ、自動制御が可能だ。合理的な配置により、1ムー(約6.7アール)当たりの食糧生産量が62.5kg上がり、1ムー当たりのコストが約200元(1元=約21.0円)減った」と語った。

 鄭州市スマート農業センターの李占主任は「無人農場では衛星リモートセンシングとマルチスペクトルドローンモニタリング技術が広く導入されており、土壌環境モニタリング、気象環境モニタリング、病菌虫害モニタリング、苗の状況・災害状況モニタリングなどのデータと連携し、農作物の成長具合を遠隔で確認している。これにより、農業の効率化、正確化、スマート化管理が実現可能だ」と述べた。

 
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