2024年07月01日-07月05日
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労働力の問題を解決する再生稲の無人農場

2024年07月02日

 中国湖南省益陽市にある再生稲の無人農場では、スマート農機が自動で出庫し、種を撒き、田植えをするなど、大活躍していた。人民日報が伝えた。

 再生稲とは、一期目に稲が成熟し収穫した後に稲株を残し、その休眠芽を発芽・成長・結実させ、二期目の稲を収穫する栽培モデルを指す。再生稲の二期収穫では、農村の労働力不足が発展の大きなネックになっている。

 プロジェクト責任者である華中農業大学の彭少兵教授のチームは、複数の科学研究機関と協力し、2023年に中国初の再生稲無人農場を開発し、再生稲の労働力の問題を効果的に解決した。この無人農場は「農機+農業技術+スマート」の融合を通じ、中連スマート農業プラットフォームが作るスマート農業ブレーンとデジタル農業展示モデルを利用し、稲生産のデータ収集・分析、自動意思決定、農機自動作業を実現。耕作から田植え、管理、収穫、生産、供給、販売までの全過程にトレーサビリティを持たせた。

 農場責任者の熊姣軍氏は「再生稲の無人農場は1ムー(約667平方メートル)当たり約300元(1元=約22円)のコスト削減と増収が可能だ。通常の機械による再生稲収穫の損失率は40%に上ることもあるが、無人農場では制御によってこれを20%以下に下げ、再生稲の二期目の生産量を増やすことができる」と試算している。

 稲産業技術体系の専門家で湖南農業大学教授の唐啓源氏は「無人農場は北斗測位に基づく農機自動ナビゲーション技術を採用している。直線的な収穫が可能で、残す稲株の高さを均等にできるため、二期目の苗の均等度と生産量を高められ、適切に管理すれば二期目の1ムー当たり生産量は350~400キロになる。将来的に食糧栽培大手の間で普及が進むだろう」と述べた。

 
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