中国国家航天局はこのほど、北京市で「実践19号」衛星ペイロード引き渡し式典を開催した。これは同衛星の帰還ミッションが無事完了したことを示している。今回引き渡されたペイロードは主食作物や商品作物、微生物宇宙育種ペイロード、宇宙技術試験ペイロードなど20種類に大別される。新華社が伝えた。
実践19号は9月27日に打ち上げられ、10月11日に回収に成功した。中国初の再利用可能な回収式技術試験衛星として、宇宙に行くことも、地上に戻ることもできる。
今回の旅において、同衛星は次世代回収式宇宙試験プラットフォームが持つ「育種期間が短く、搭載効率が高い」という優位性を十分発揮し、1000近くの遺伝資源の宇宙育種試験を完了した。遺伝資源イノベーションに重要な技術的サポートを提供し、中国製の部品や原材料などに対して軌道上での検証機会を提供し、中国の宇宙技術のイノベーションと持続可能な開発の基礎を固めた。
衛星はまた、タイやパキスタンなどの遺伝資源と複数の科学試験ペイロードも搭載。国際宇宙協力の新たなエコシステムの構築と、世界の科学技術イノベーションの推進に重要な貢献を果たした。
新技術の面では、微小重力水素製造技術や低周波磁気通信技術、ガス充填密閉コックピット技術、無線電力伝送技術、空気力学的パラメータ測定技術、耐熱傾斜機能材料、低膨張係数構造などの試験を行った。
宇宙科学実験の面では、合金融体の拡散挙動研究、非晶合金構造及び表面原子動力学、炭素ナノ材料及び部品、固体触媒材料、口腔医学材料研究、キラル医薬品研究、微生物薬品製造の分子メカニズム研究などの宇宙科学実験ペイロードを搭載した。
同衛星はペイロードを搭載して宇宙と地球の間を移動できるため、宇宙科学実験や宇宙新技術検証及び宇宙育種、宇宙製薬、宇宙材料製造などの分野で広く活用でき、応用と協力の見通しが非常に明るい。