アインシュタインプローブ衛星「天関」が10月31日、中国科学院国家天文台などのユーザーに引き渡された。衛星が軌道上で取得した科学成果第1弾も発表された。新華社が伝えた。
「天関」は北宋時代の司天監(天文関係の官庁)が1054年に観測・記録した「天関客星」の超新星爆発に由来する。人類史上最も重要な天文事件の一つで、「中国新星」と呼ばれている。
衛星「天関」の首席科学者で、中国科学院国家天文台研究員の袁為民氏は「われわれがこの衛星を天関と命名したのは、中国が超新星爆発の観測・記録の面で長い歴史を持つことを示すとともに、衛星が世界の天文学の発展に大きく貢献するとの期待も込められている」と述べた。
袁氏はさらに「宇宙では大量の激しい爆発現象が生じる。これらの爆発現象はランダムに発生することが多く、予測が困難な上、一瞬の花火のように、短時間内に現れては消えていく。これらの宇宙の『花火』の観測は、ブラックホールや重力波、宇宙進化などの分野における最先端の研究を強力に推進することになる」と続けた。
「天関」は宇宙の一時的なX線源や爆発天体を発見し、わずかな宇宙の「花火」を捉えることで、宇宙のより多くの謎を探求するために使用される。同衛星は今年1月に打ち上げられ、7月より通常運用を開始している。