中国科学院宇宙応用工学・技術センターによると、中国の宇宙ステーション宇宙科学実験サンプル第7弾が4日、有人宇宙船「神舟18号」の帰還モジュールと共に帰還した。今回のサンプルは、宇宙生命科学、宇宙材料科学、微小重力燃焼科学など計55種で、総重量は約34.6kgとなる。新華社が伝えた。
生命実験サンプルには、ゼブラフィッシュ培地やアミノ酸、オリゴペプチド、メタン生成古細菌、放射線抵抗性微生物など24種が含まれる。研究者は今後、主に水生生態系の宇宙環境における物質循環メカニズム、嫌気性古細菌の地球外環境への適応能力、極限環境における微生物の生存限界及び耐性の評価などの研究に取り組み、地球生命の惑星間伝播の可能性を探る。
材料実験サンプルには、高温耐火ニオブ合金や複合潤滑材料、光ファイバー、光学フィルムなど30種が含まれる。研究者は今後、主に材料の成長、組成の偏析、凝固欠陥及び性能に対する重力の影響の法則の研究に取り組み、長寿命宇宙潤滑材料、精密電子機器用中性子遮蔽材料、防音断熱金属多孔材料などの宇宙応用を推進する。
燃焼類実験サンプルは、メタンガス燃焼に基づいて合成されたナノ粒子材料だ。研究者は粒子の粒径、形態、格子構造などの分析を行い、地球外環境における重要な粒子材料の気相合成関連技術の発展を後押しする。