中国航空発動機集団が発表した市場予測報告によると、今後20年間に中国の商用航空機エンジン市場で1万9000基が引き渡される見込みだ。市場価値は3000億ドル(1ドル=約154円)を超え、市場シェアは世界の20%以上を占めるという。中国新聞網が伝えた。
第15回中国国際航空宇宙博覧会(中国航空ショー)で発表された「2024−43民間用航空機エンジン市場予測報告」は、2023年の世界の商用・汎用航空機エンジンの市場環境と市場の現状を詳細に分析し、今後20年間の市場状況を予測した。
報告によると、23年末現在における世界で就役中の商用ターボファンエンジンは5万6000基以上となっており、うちナローボディ機が3万5000基で、60%以上を占めている。ワイドボディ機エンジンは1万4000基、商用ターボプロップ機エンジンは4000基で、中国国内で現役の商用航空機エンジンは9000基以上となっている。
報告によると、世界経済と観光業の持続的な回復や、中国の経済発展と観光業の繁栄などが、航空輸送市場の需要増に持久的な推進力をもたらしており、次世代の航空機・エンジンの発展を促進している。
今後20年の世界の商用ターボファンエンジンの引き渡し数は8万7000基以上になる見込みで、引き渡し額は約1兆5000億ドルと予想される。43年には中国の商用ターボファンエンジンの規模が2万1000基以上に増加する予定で、うちナローボディ機は約1万6000基、ワイドボディ機は4000基以上になると見られる。
中国では近年、汎用航空市場が急速に発展している。23年末現在の中国の汎用航空飛行時間は137万1000時間で、前年比12%増となった。世界の汎用航空機エンジン数は計50万基以上で、中国市場の汎用航空機エンジンは3758基となっている。