中国国家林業・草原局は25日、砂漠化対策に関する記者会見を行った。同局砂漠司の黄采芸司長は「中国では、対策可能な砂漠化土地の53%が効果的に改善され、砂漠化土地面積が約433.3万ヘクタール減少した。世界に先駆けて土地退化の『ゼロ成長』、砂漠化土地の縮小を実現した。生態保護と民生改善の好循環に入り、砂漠化地域の経済・社会発展および生態系の様相が変化している」と述べた。人民網が伝えた。
今年は「三北」(西北・華北・東北)プロジェクト開始1周年で、中国の「国連砂漠化対策条約」調印30周年でもある。
黄氏は「中国は法に基づき砂漠化対策を推進し、効率的な法治体制をほぼ形成した。砂漠化対策法、森林法、草原法、湿地保護法、青蔵高原(チベット高原)生態保護法、黄河保護法などの法律を基礎とする砂漠化対策体制の構築を通じ、13の砂漠化重点省・自治区が砂漠化対策条例もしくは実施規則を打ち出した。法普及・法執行を持続的に強化し、砂漠化対策の法律制度規定および法律責任が効果的に実行された。法に基づき各地・各部門の砂漠化対策における目標と責任を履行させ、審査・評価指標や監督制度を整備した」と説明した。
黄氏は「三北などの重点生態プロジェクトの企画・実施により、砂漠地帯の生態状況が大きく改善された。三北防護林体制の建設、退耕還林還草(耕作地を森林・草原に戻すこと)、北京・天津黄砂発生源対策、砂漠化土地の閉鎖的保護・修復など複数の重点プロジェクトを企画・実施し、約3590万ヘクタールの砂漠化土地を科学的に保護し、約787万ヘクタールの砂漠化土地を効果的に対策した。三北プロジェクトエリアの森林率は12.41%から13.84%に上がり、61%の水土流失面積が効果的に制御され、黄河流域の植生被覆の『グリーンライン』が西に300キロ移動した。この10年近くで中国の北方地域における春の深刻な黄砂日数が大きく減少した。三北プロジェクトエリアは今年、累計320億元(1元=約21円)の中央投資を拠出し、重点プロジェクト287件を推進し、約380万ヘクタールの各種建設任務を完了した。砂漠地帯の生態状況は持続的に改善されている」と語った。
黄氏はまた、「科学技術イノベーションの強化を通じ、科学的な砂漠化対策水準が持続的に向上している。水を基準とする緑化を堅持し、干ばつや痩せた土地、黄砂に強い草木の種を選択して普及推進を行い、森林と草原の植生を科学的に配置している。26カ所の砂漠生態系定点観測所と13カ所の砂嵐地上観測所を設置し、森林・草原・湿地・砂漠の調査・モニタリングを企画・実施した。寧夏中衛沙坡頭や甘粛民勤、内モンゴル磴口、新疆柯柯牙、河北塞罕壩などの対策モデルを普及推進した。砂漠化対策の機械化・スマート化発展を加速させ、流砂固定機械や灌木剪定機械、ドローン播種などが広く使用されている」と述べた。
黄氏はさらに「広範な国際協力を通じ、中国発のソリューションと中国の知恵が積極的に貢献している。中国は1994年に条約に調印してから、条約の責任と義務を果たしている。中国国連砂漠化対策条約履行弁公室を設立し、国家履行行動計画を策定し、世界の砂漠化対策に積極的に参加している。三北プロジェクトは国連環境計画からグローバル500賞を授与された。国連砂漠化対策条約事務局は中国に『砂漠化対策優秀貢献賞』を2回授与し、『世界の砂漠化対策は中国にかかっている』と称賛した」と強調した。