中国初の「ジャガイモ米」生産ラインがこのほど、雲南省昭通市巧家県で稼働した。生産と加工を経たジャガイモは、粒が透明な「ジャガイモ米」へと変化する。人民網が伝えた。
この「ジャガイモ米」は中国科学院院士(アカデミー会員)で、高分子物理化学者の呉奇氏のチームが5年半かけて開発したもので、ジャガイモの産業チェーンに新たなイノベーションをもたらす成果となった。
ジャガイモは中国の主要農産物の一つで、直接調理されるだけでなく、ジャガイモ粉やでんぷんにも加工される。「ジャガイモ米」は物理レベルで大分子の特性を変え、芋類作物のアミロースを再構築したもので、食感を保証しながら、おいしさや栄養価、手頃な価格という3つの特徴を持ち、長期保存が可能だ。呉氏は「ジャガイモ米は補助穀物を主穀物に変えることになる」と紹介した。
巧家県洪邦農業発展有限公司の李昱霖総経理は「計算によると、2.5トンのジャガイモで1トンのジャガイモ米を加工できる。生産高は10倍以上になると見積もられ、生産ライン稼働後のジャガイモ米生産量は1000トン、生産高は約3000万元(1元=約21円)になる見込みだ」と語った。
昭通市は世界ジャガイモ大会から「世界ジャガイモ高原ジャガイモ栽培の都」に選ばれ、巧家県はジャガイモ産業の質の高い発展を推進している。