2024年11月25日-11月29日
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「まじめで面白い」科学研究成果10件がパイナップル科学賞を受賞

2024年11月29日

 科学者の好奇心に導かれた「まじめで面白い」科学成果を表彰する「2024年パイナップル科学賞」の式典が23日夜、中国浙江省杭州市で開かれた。新華社が伝えた。

 同賞は浙江省科学技術協会の指導の下、浙江省科学技術館が主催する公益性の科学普及イベントだ。2012年に始まり、毎年1回、想像力豊かな科学研究成果や出来事を広く募集し、審査委員会による選考を経て10件の受賞プログラムを選出している。各賞はいずれも、科学研究者が正式な学術誌に掲載した学術成果に基づいている。

 冷凍庫に入れっぱなしのスイカが、西湖大学の孫立成氏のチームに「ひらめき」をもたらした。研究を重ねた結果、研究者はスイカの皮膜構造をシミュレーションし、産業用途において将来性の高い「高性能人工バイオニック陰イオン交換膜」を作成した。このスイカから生まれた研究成果は2024年パイナップル科学賞の「インスピレーション賞」を受賞した。

 研究チームのメンバーである劉清路博士は「スイカの皮膜とはスイカの最も外側の緑色の膜で、冷凍後に剥離すると75マイクロメートルほどしかなく、髪の毛1本の直径とほぼ同じだ。スイカの皮の構造と機能の研究を深めることで、皮膜にあるイオン伝導ルートを特定し、イオン膜透過の秘密を解明した」と説明した。

 英ダラム大学の研究チームは、胎児の味の好みに関する研究で、2024年パイナップル科学賞の医学賞を受賞した。チームメンバーは成果について「超音波スキャンにより、胎児がニンジンの味に対しては微笑みのような表情を浮かべ、キャベツの味には嫌がる表情を浮かべることが分かった」と紹介した。

 同チームは4D超音波スキャンにより妊婦100人の胎児を観察・記録した。それによると、胎児は子宮内で味覚と嗅覚を持ち、味を区別できるという。研究者は、今回の研究が味覚・嗅覚受容体の発展や関連する感知・記憶の理解において重要な意義があると考えている。

「白酒は常温で飲むのが良く、黄酒は加熱して飲むほうが美味しく、ビールは冷えている方がさらに美味しい。これにはどのような科学的原理があるのだろうか」。中国科学院院士(アカデミー会員)で、中国科学院理化技術研究所研究員の江雷氏とその研究チームは、高分解能の核磁気共鳴装置と赤外分光計により、さまざまな温度におけるエタノール・水混合物の分子状態の正確なマップを発見した。アルコールの濃度と温度の口当たりへの影響を証明したことにより、2024年パイナップル科学賞の「味覚賞」を受賞した。

 このほか、なぜ赤ちゃんはいい匂いがするのか、最も指を切りやすい紙は何か、クモがホタルに求愛信号を出させて捕食すること、ミカンを赤いネットに入れる秘密、エリンギ菌糸体の導電で「ロボット」を操作すること、リンゴからマッシュルームが生えること、蚊が匂いで人を見分ける秘密などの興味深い現象の裏にある科学的原理を探求した成果が、化学賞、物理学賞、生物学賞、心理学賞、発明賞、科学的出来事賞、クレイジー実験賞を受賞した。

 授賞式の来賓で台湾大学教授の孫維新氏は「科学と興味の結びつきはとりわけ重要だ。興味は答えを探る原動力となり、真実を求める科学的精神を構築する」と述べた。

 
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