2024年08月13日-08月16日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年08月13日-08月16日 >  世界最長寿の飼育オスパンダ、晩年の生活に関する研究成果が発表

世界最長寿の飼育オスパンダ、晩年の生活に関する研究成果が発表

2024年08月15日

 香港海洋公園の研究チームは、世界最長寿の飼育オスパンダ「安安(アンアン)」の生前31カ月に及ぶ研究を行い、晩年の活動などを分析した。研究成果は国際的学術誌「Animal Biology」に掲載された。新華社が伝えた。

 安安は2022年7月21日に35歳でこの世を去ったが、これは人間の100歳以上に相当する。研究チームは2019年7月から2022年1月まで、累計422.5時間の観察を行った。

 研究チームは期間中、安安の生息エリア内の移動ルートや日常的な活動の分類を実施。実際の観察と映像の分析を通じてさまざまな移動ルートの利用回数やパターンを記録し、ルートの好みを把握した。安安は全体の35%の時間は元気で活動的だったことが分かった。

 同研究プロジェクト責任者である香港海洋公園の馬思慧上級研究員は、「この画期的なルート分析研究方法は、動物の健康状況を評価するもので、老化と病気が動物の生活スタイルにどう影響するのかを解明する上で役立ち、動物の生息地や長期的なケアの改善に用いることができる」と説明した。

 同公園によると、研究は高齢動物の行動に関する文献を充実させ、パンダの生物学や生態学にも貢献する。チームが研究開発したルート分析方法は他の動物種に応用でき、他の施設でも採用しやすい。

 中国中央政府は1999年、香港にペアのパンダである安安と「佳佳(ジアジア)」を寄贈した。メスの佳佳は38歳で亡くなり、世界最長寿の飼育パンダとなった。

 中国ジャイアントパンダ保護研究センターと香港海洋公園は20年以上にわたり、パンダの保護育成の研究、教育、人的・文化的交流などの協力を続けている。特に高齢パンダのケアや、パンダの白内障治療の面で先駆的な活動をしており、同公園はパンダの腸内微生物の多様性や関節炎の管理などに関する複数の論文を発表している。

ジャイアントパンダの「安安」。(2020年5月11日撮影)

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

上へ戻る