中国で単管輸送量が最大の天然ガスパイプラインとなる中ロ東ルート天然ガスパイプライン(以下「中ロ東ルート」)が2日、全線開通した。年間輸送能力が380億立方メートルに増加し、「北気南下(北方地域の天然ガスを南方地域に送ること)」の上海直通が実現した。人民網が伝えた。
2025年には、中ロ東ルートを通じて長江デルタ地域に入る天然ガスがさらに50億立方メートル近く増加し、地域の天然ガス供給能力とピーク時の緊急対応能力が効果的に向上する見込みだ。
計算によると、中ロ東ルートが毎年沿線地域に供給する天然ガス資源は、二酸化炭素排出量を1.64億トン、二酸化硫黄排出量を182万トン削減できる。
中ロ東ルートは中央アジアパイプライン、中国・ミャンマーパイプラインに続いて、中国にガスを供給する3本目の国境を越える天然ガス長距離輸送パイプラインだ。中ロ東ルートは黒竜江省の黒河から始まり、上海に至り、9つの省・自治区・直轄市を経由し、北段(黒竜江黒河-吉林長嶺)、中段(吉林長嶺-河北永清)、南段(河北永清-上海)の3段階で建設が承認された。全線開通前には、黒河や五大連池、瀋陽、安平など10カ所のガス圧縮ステーションが相次いで完成し、秦皇島ステーションの増圧プロジェクトと五大連池、肇源、錦州などの圧縮ステーションのバックアップ用圧縮機プロジェクトが稼働し、沿線地域への安定的なエネルギー供給を確保した。
中国の第3世代大輸送量天然ガスパイプラインの象徴的プロジェクトである中ロ東ルートは、中国初の1422ミリメートルの超大口径、X80高強度鋼、12メガパスカルの高圧力レベルを採用。パイプライン沿線の36台の大出力圧縮機は中国産設備を使用し、遠心式圧縮機、高速同期モーター、周波数変換器などの重要部品の国産化率は100%となっている。
(画像提供:人民網)