2024年12月09日-12月13日
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中国最大規模のタワー型太陽熱発電所、フル容量の系統接続

2024年12月09日

 中国甘粛省アクサイ・カザフ族自治県の太陽熱発電所でこのほど、フル容量の系統接続セレモニーが開かれた。これにより、中国で建設された単体規模が最大のタワー型太陽熱発電所でフル容量の系統接続と発電が実現した。科技日報が伝えた。

 同発電所は四十里ゴビ砂漠1000万キロワット(kW)級太陽熱発電拠点に位置し、平均標高約3000メートル、敷地面積約16.5平方キロ。全体の設備容量は750メガワット(MW)で、太陽熱発電は110MWで、太陽光発電は640MWとなっている。

 今回系統接続・発電した太陽熱エリアの敷地面積は約3.2平方キロで、タワー型集光発電技術を採用し、融解塩を熱エネルギー貯蔵媒体とする。

 同エリアの中心建造物は集熱タワーで、全体が中空薄壁鉄筋コンクリート筒体構造となっている。筒体の高さは180.8メートル、最大外径は24.6メートルで、集熱器は集熱タワーの頂部に位置し、高度は226.8メートルとなる。これは太陽熱発電所全体の集光の中心部で、太陽熱動力アイランドの中央に位置する。その周囲に同心円状に設置された1万1960枚のヘリオスタットは反射により太陽光をタワー頂部の集熱器の表面に集め、熱の吸収で高温にし、融解塩・水熱交換システムにより熱い蒸気を作り、蒸気タービンを動かして発電する。

集熱エリアでは、1万枚ほどのヘリオスタットが太陽の動きに合わせ角度を調節し、太陽光をタワー頂部の集熱器に反射することで、眩しい白日の灯台となる。集熱エリアの集熱時間は8時間で、理論的には1時間当たり11万キロワット時(kWh)の発電が可能で、8時間連続で発電できる。

 プロジェクトは「太陽熱+太陽光発電」スマートカップリング発電モデルを採用。太陽光発電エリアは日中、発電し、太陽熱エリアは太陽エネルギーを吸収し、融解塩によりエネルギーを貯蔵して夜間にこれを放出し、発電を継続する。このモデルは太陽光発電所の変動性と間欠性の問題を解決すると同時に、発電所の経済性を大幅に高めることになる。

 同プロジェクト完成後は、年平均送電量が17億kWhと見込まれており、これは57万世帯分の年間電力消費量に相当する。省エネルギー・環境保護効果が顕著で「二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラル」の目標達成、現地の新エネルギー成長源の構築加速、経済の質の高い発展の推進に対して積極的な意義を持つ。

(画像提供:人民網)

 
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中国科学技術ニュース 2024年12月

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