中国海南省文昌市で2日、文昌国際航空宇宙フォーラムが開かれ、中国科学院院士(アカデミー会員)でキャリアロケット技術専門家の范瑞祥氏が大会報告を行い、中国の商用ロケット発展の見通しについて説明した。中国新聞網が伝えた。
范氏は、中国の商用ロケットは以前の「高コスト、低頻度」の打ち上げから、再利用可能な「高効率、高頻度」の打ち上げへと発展し、将来的に4つの発展段階を経ると予測した。
第1段階では、現在の成熟したロケットや直径4メートル級の新型商用ロケットの打ち上げを行う。この種類のロケットは1回限りの使用で、地球近傍軌道の積載量は10トン級で、中国の商用ロケット発展の重要な基礎を固める。
同時に、中国の複数のビジネス企業が直径3.35~4.5メートルの複数種類の商用ロケットを開発中だ。来年と再来年には初の打ち上げが次々と行われ、技術が成熟してからロケット第1段の回収飛行検証を行う。
ロケットが再利用段階に入ると、中国の商用ロケット発展の第2段階と見なすことができる。この段階の目標は直径5メートル級ロケットの開発だ。ロケットの第1段は再利用可能で、地球近傍軌道の積載量は20トン級になる。開発成功後は中国商用ロケットの中心になる見込みだ。
第3段階は直径7メートル級の、液体酸素・メタンガス推進剤を採用する超大型ロケットの開発だ。第1段は再利用でき、その地球近傍軌道の積載量は50トン級となる。
第4段階は直径10メートル級の、2段を再利用できる大型ロケットの開発だ。地球近傍軌道の積載量は100トン級に達する。
推測と分析によると、中国は2030年までに毎年1500基以上の商用衛星を打ち上げる見込みだ。商用ロケットの打ち上げ回数は毎年少なくとも150回になり、低軌道コンステレーションの何千もの衛星の打ち上げと展開が、キャリアロケットの大きな課題となる。