2025年01月14日-01月17日
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液化空気エネルギー貯蔵発電所、試験運用を完了

2025年01月17日

 中国河北省石家荘市にある河北建投エネルギー貯蔵技術有限公司の液化空気エネルギー貯蔵発電所がこのほど、3カ月の試験運用を完了した。中国新聞網が伝えた。

 同省科学技術庁の関係者は「中国で初めて系統接続と試験運用に成功した液化空気エネルギー貯蔵発電所で、同技術分野で進展を遂げたことを示している。河北省は新エネルギー発電が盛んな省で、2024年には風力・太陽光発電設備容量が1億キロワット(kW)を超えた」と述べた。

 この液化空気エネルギー貯蔵発電所の1日当たりの発電量は4000キロワット時(kWh)で、約400世帯の1日分の電力需要を満たす。

 同社の王振興総経理は「プロジェクトは河北建設投資集団有限責任公司と石家荘鉄道大学が協力し、河北省エネルギー貯蔵産業技術研究院の資源を利用して23年12月に着工したもので、液化空気エネルギー貯蔵技術の広範な応用を推進する目的がある」と語った。

 河北建投エネルギー貯蔵技術の徐瑩チーフエンジニアは「液化空気エネルギー貯蔵の基本原理は、電力が余っている時に電力を使って空気を浄化・圧縮し、温度を下げて液化して液体空気として貯蔵する。そして電力消費ピーク時に液体空気を加圧して気化させ、加熱により膨張させて発電する」と説明した。

 徐氏は「液化空気エネルギー貯蔵発電所は環境に優しく、長寿命の『スーパーモバイルバッテリー』のようなもので、余剰電力の回収・貯蔵が可能だ。また液化空気エネルギー貯蔵は空気をエネルギー貯蔵媒体として利用し、化学物質を使用せず、環境を汚染しない。30年以上使用可能で、環境にやさしい新型のエネルギー貯蔵方法だ」と語った。

 工場の西側には6つの冷蔵タンクがある。空気はここでマイナス170℃前後に冷却されてから、高さ約12メートル、直径約2.5メートルの液体空気タンク内に貯蔵される。徐氏によると、通常のエネルギー貯蔵方法と比べ、液化空気エネルギー貯蔵の工場立地選択はより柔軟になるという。同じ体積の場合、液化空気の蓄電量が圧縮空気エネルギー貯蔵の約20倍に相当するためだ。

 徐氏は「液化空気エネルギー貯蔵技術は、コスト削減や効率向上などの部分で持続的に改良する必要があり、それができて初めて大規模応用を実現できる。このプロジェクトの規模はそれほど大きくないが、新技術の実現可能性を証明している。24年9~12月の試験運用期間中、チームは複数回の問題解決と全負荷試験を行い、今後のより大規模なプロジェクトに向けた技術面での準備を進めた」と紹介した。

 さらに徐氏は、「試験運用中、発電所の重要指標やパラメータは当初の研究開発・設計の要件を満たした。システムは安定的に動作し、商用運転開始の条件を備えた。液化空気エネルギー貯蔵発電所の応用シーンは豊富で、例えば液化天然ガス(LNG)受入基地で液化空気エネルギー貯蔵発電所を建設することで、LNGの廃棄冷熱を有効利用できる」と述べた。

(画像提供:人民網)

 
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