中国上海市はこのほど、「上海市医療AI(人工知能)発展活動案(2025−27年)」を発表した。活動案では、AIと医療の革新的かつ深い融合に関する5分野18件の措置を掲げている。科技日報が伝えた。
上海は医療資源が豊富で、AI医療の先端技術研究に豊富な応用シーンを提供することが可能だ。活動案では臨床医療や中医薬、公衆衛生、医療管理、医療保険監督管理、薬品開発、機器研究開発などとAIが深く融合し、全領域的な応用シーンを構築するとしている。
医療AIイノベーション分野では、上海の医療研究開発機関はすでに模索を開始している。医療大規模言語モデル「Med-Go」の開発者で、上海市東方医院緊急診療・重症救急医学科主任の張海濤氏によると、北京の有名病院の小児科患者のカルテを「Med-Go」に入力すると、この大規模言語モデルはわずか数分ほどで、専門家が1年かかった診断結果を出したという。
活動案はAIによる新薬研究開発の支援について、タンパク質構造予測やゼロからの設計、薬品ターゲット予測、薬品設計、バーチャルスクリーニング、臓器チップなどの重要技術の研究をサポートするとしている。
上海交通大学張江高等研究院では、同大学自然科学研究院の洪亮教授のチームがAI技術を使い、生命科学研究の基本的な流れに変革をもたらしている。洪氏は「タンパク質の配列から機能に直接到達するPro大規模言語モデルを開発した。これにより、タンパク質の改造にかかる期間を数年から数カ月に短縮した」と説明した。