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中国で生成AIが急速に普及 「DeepSeek」が話題に

2025年02月10日

 中国では今年の春節(旧正月)連休期間中、深度求索公司(DeepSeek)が発表した最新のオープンソース生成AIモデル「DeepSeek-R1」が爆発的な人気となり、各アプリストアのダウンロード数ランキングで上位に入った。人民日報が伝えた。

「友人への新年のあいさつ文を書いて」「春節をテーマにした詩を作って」「この数学の問題を解いて」......。ユーザーのこうした要望にすぐに応えてくれる生成AIが、中国の人々の間で急速に普及している。

 中国インターネット情報センター(CNNIC)が最近発表した「生成AI応用発展報告書(2024)」によると、2024年6月現在の中国の生成AI(人工知能)製品の利用者数は2億3000万人だった。

 同センターの劉郁林主任は「AIは現在、世界でイノベーションが最も活発な分野として、幅広い業界を持続的に活性化している。生成AI製品も中国のネットユーザーの間で急速に普及しており、ユーザーの日常生活や仕事に大きな影響を与えている」と述べた。

 中国の生成AI製品は多様化しつつある。24年12月31日現在、計302の生成AIサービスがインターネット情報機関への登録を完了しており、うち24年に追加されたのは238のサービスだった。これらの製品はユーザーに多様な選択肢と差別化体験を提供している。

 報告書によると、中国は比較的包括的なAI産業システムを構築しており、関連企業は4500社以上、コア産業の規模は約6000億元(1元=約21円)で、産業チェーンは半導体、アルゴリズム、データ、プラットフォーム、アプリケーションなどの川上・川下の重要部分をカバーしている。

 劉氏は「中国は近年、AIの発展を戦略的に引き上げ、一連の政策文書を相次いで発表し、AI産業の質の高い発展の需要を満たす政策体系の構築を加速させており、技術の進歩を推進しつつ企業の発展を促し、産業の高度化をけん引している」と述べた。

 各業界は現在、生成AIによるスマート化・高度化の波を積極的に受け入れている。

 報告書によると、交通やエネルギー、製造、化学工業など複数の分野において、ハイテク企業と既存業界が積極的に協力し、大量の資源を投入して各業界に特化した生成AIモデルを共同開発し、新興技術による実体経済の革新的発展を模索している。

 国有大型化学工業企業の責任者は「これまでの化学工業の新材料開発では、研究者は実際の経験に基づき目標の選別や実験設計、分析・報告を行っていた。開発の全プロセスにおいて、さまざまな文献や業務システムに分散している数多くの専門情報を検索しなければならず、開発の効率に深刻な影響を与えていた」と説明した。

 同社ではインターネット企業と協力し、化学工業におけるAIの応用を模索している。大規模言語モデルによるナレッジアシスタントは自然言語の質問に基づき、分子の特性や分子合成のロードマップなどの専門知識を、人に代わって素早く検索して答える。特定の分子の検索効率が5倍以上高まり、開発の効率が大幅に向上した。

 劉氏は「工業は国民経済の重要な柱であり、規模が大きく、範囲が広く、シーンが豊富で、AIの融合応用の重要な分野だ。生成AIの急成長と世代交代の加速は、すでに開発・設計や生産・製造などの分野で頭角を現し、新型工業化の重要な推進力になっている」と語った。

 報告書は「長期的には、生成AIモデルの応用は操作レベルに留まらず、意思決定支援や戦略管理のレベルに広がるだろう。この変革は働き方を変えるだけでなく、企業の組織構造や経営モデルのイノベーション、製品・サービスの革新的設計を推進し、最終的に業界全体の運営モデルを再構築する可能性がある」との見方を示している。

 工業分野だけではない。かつては天候任せだった農業分野では、生成AIの力により農業の現代化と持続可能な開発を推進している。

 中国農業大学は24年7月に「神農大規模モデル2.0」を発表した。農業知識Q&A、農業テキストの意味理解、農業生産の意思決定推論などのコア機能だけでなく、画像、音声、動画、文書などのマルチモーダルインタラクションやスマート化推論のサポートなどの面でも大きな進展を遂げている。

 報告書によると、生成AIは「AIアシスタント」「スマートアシスタント」を主な製品形態とし、インスタントメッセージ、オフィスソフト、オンラインカスタマーサービス、創作ツールなど従来のインターネット製品と融合し、利用者にインテリジェントなコミュニケーション、オフィス、創作の体験をもたらす。利用者の約3分の1が生成AI製品を自身のオフィスアシスタントにしており、マイクロソフトやキングソフトを始めとするオフィスソフト企業はすでに生成AIを製品に融合し、これを新たな業績の成長源にしている。

 他にもスマート音声アシスタントや自動運転車、機械翻訳、スマート医療診断など、あらゆる大規模AIモデルが人々の生活に徐々に浸透し、利用者の生活の質と仕事の効率を大きく高めている。

中国農業大学
 
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中国科学技術ニュース 2025年02月

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