2025年02月17日-02月21日
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リチウム電池を「注射」で再生 新発見が「ネイチャー」に掲載

2025年02月19日

 携帯電話の電池は長期間使用すると充電できなくなる。電気自動車(EV)はフル充電しても走行距離がますます短くなる。寒冷地の電池はより壊れやすく、廃電池の数が増え続ける......。学術誌「ネイチャー」は13日付で、ある新技術により、リチウム電池の「精密治療」を行い廃電池を再生できるとする復旦大学の研究チームによる新発見を掲載した。中央テレビニュースが伝えた。

 リチウム電池の劣化や減衰などの問題に対応するため、復旦大学のチームが画期的な研究を行った。電池の寿命は人間の健康に似ているとの着想から、その問題は多くの場合、活性リチウムイオンというコアコンポーネントに集中することを発見。失われたリチウムイオンを正確に補充できれば、電池の寿命を大幅に延ばすことができるとのアイデアに基づき、注射によって電池内のリチウムイオンを補充できる薬品のようなリチウムイオン輸送分子を開発した。

 復旦大学高分子科学学部の研究チームのメンバーである高悦氏は「我々の技術で精密治療が可能になり、使用後に初期の状態に回復することができる。商用リン酸鉄リチウム電池は従来であれば2000回の使用により容量が低下し、廃棄されていた。この技術があれば、1万2000回の使用後も初期に近い『健康な』状態を保てる」と述べた。

 この「薬品」のようなリチウムイオン輸送分子はどのようにして見つかったのだろうか。研究チームは人工知能技術と化学の知識を結びつけ、分子構造と性質をデジタル化した。また有機化学や材料工学技術などの大量の関連知識を取り込んでデータベースを構築し、複数の実験を経てこの新たなリチウムイオン輸送分子を取得した。

 高氏は「この分子は市販される電池の修復効果が非常に高く、コストが非常に低いだけでなく、新しいグリーン電池の開発にも役立つ」と述べた。

 同技術はすでに複数種類の電池のテストに合格しており、世界トップの電池企業とも協力している。一日も早い実生活への応用が期待されている。

(画像提供:人民網)

 
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