水素エネルギーは重要なクリーンエネルギーとして、現在世界で開発と利用が進められている重点エネルギーの一つだ。北京大学の馬丁教授のチームらがこのほど、ゼロカーボン水素製造で画期的なブレイクスルーを果たした。研究成果はそれぞれ2月13日と14日付で「ネイチャー」「サイエンス」に掲載された。人民日報が伝えた。
この2つの研究成果はいずれも、水素製造反応の最適化を目的としているが、重点と実現方法は大きく異なる。「ネイチャー」に掲載された成果は、触媒科学における安定性の課題を克服し、革新的に希土類元素を導入し触媒を改良し、新しく汎用的な高活性水素製造触媒安定化ソリューションを開発した。一方、「サイエンス」に掲載された成果は、エタノールと水分子の改質によるゼロカーボンの水素製造に焦点を当て、ゼロカーボンの産業用水素製造に向けた科学的基盤を築いた。
現在、世界の水素の約96%が依然として化石燃料由来で、水素1トンの製造で通常9~12トンの二酸化炭素(CO2)が排出される。これは「ダブルカーボン」(CO2排出量ピークアウト・カーボンニュートラル)の戦略目標と矛盾している。今回開発に成功した新たな水素製造方法は、新たな触媒により根本からCO2排出を解消することが期待される。