中国の国家地方共同建設エンボディドAI(人工知能)ロボットイノベーションセンターは、独自開発した人型ロボット「天工」の「小脳」を持続的に進化させ、雪の上や階段、砂地などの複雑な地形における運動能力を強化してきた。これまでに「134段の階段を安定的に登る」「雪の上で転倒せずに走る」など、さまざまな能力を実現している。新華社が伝えた。
「天工」はこのほど、北京海子牆公園で134段の階段登りにチャレンジし、滑らかな動きで最高地点にたどり着いた。人型ロボットにとって複雑な地形への適応はこれまでずっと課題だったが、「天工」は滑らかな動きで階段を登れるようになった。
その理由は感知能力と運動アルゴリズムにある。エンジニアによると、さまざまな能力を備えたエンボディドAIエージェント「開物」に含まれる「大脳」と「小脳」により、「天工」は知覚歩行を実現し、動きながら前方の地形をリアルタイムで把握し、ただちに環境を分析し、全身の動作と歩行パターンを調整して、随時変化する段差や路面の状況などに柔軟に対応できるようになった。
複雑な道路での高速走行も人型ロボット業界における大きな課題の一つだ。これまでの人型ロボットは速度と安定性の両立が困難だったが、「天工」はバージョンアップによってこの現状を打破した。「天工」の従来の最高速度は時速6キロだったが、現在は安定走行速度が時速10キロ、最高速度が時速12キロに達する。また、階段だけでなく、雪の上や砂地、山の斜面などさまざまな地形で動き回り、高速走行ができるようになっている。
知覚歩行が可能になると、ロボットは外部からの干渉を受けても転倒しなくなった。滑りやすい雪の上で異なる方向から力が加わっても、「天工」はバランスを保って転倒せずにいられる。
こうした技術は人型ロボットが自律的に複雑環境へ適応する能力を得たことを意味し、今後のロボットの応用やエンボディドAIの普及に向けて基礎を築くものとなる。
(画像提供:人民網)