2025年03月17日-03月21日
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使用済みの風力発電ブレードで砂漠化対策材料を開発

2025年03月18日

 中国科学院西北生態環境資源研究院の敦煌ゴビ荒漠研究ステーションで研究員を務める柳本立氏のチームは、使用済み風力発電ブレードを原材料とした新型砂漠化対策材料の開発に成功した。関連する研究成果はこのほど、学術誌「国際水土保持研究(International Soil and Water Conservation Research)」に掲載された。科技日報が伝えた。

 柳氏は「風力発電所は、砂漠化対策が必要な地域やその近くにあることが多い。この地理的な近さという強みは、砂漠化対策原材料の供給と資源の循環利用に可能性をもたらす」と述べた。

 研究チームは使用済み、あるいは壊れた風力発電ブレードを原材料とし、切断や穴あけなどの加工をすることで、新型多孔サンドバリアを作り上げた。紫外線老朽化や高温・低温切り替え、腐食、曲げ強度などのテストを経て、研究チームは材料が優れた性能を備えていることを証明した。その曲げ強度は木の複合板の14倍となっている。風洞実験と数値シミュレーションの結果によると、このサンドバリアは風砂流構造を効果的に変え、地上付近の風砂の移動を低減できるという。

(画像提供:人民網)

 
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