中国浙江省桐郷市にあるデジタル種苗未来農場では春耕の季節を迎え、銀色の「ロボットアーム」が活躍していた。中国新聞網が伝えた。
ロボットアームが素早く上下に動き、次々と接ぎ木されたトマトの苗が整然と箱に収められていく。農場責任者の李敬泉氏によると、ナス科接ぎ木ロボットはスマート識別技術を採用し、接穂と台木を正確に接着させ、接ぎ木の活着率を99%に高めている。
このように、浙江省ではロボットが都市から農村へと進出し、広大な農地で多様な用途で活躍している。
杭州市余杭区の彭公デジタル農場では、作物の健康状態を「診断」するロボット犬の姿が見られた。ロボットは果実を収穫するだけでなく、病虫害に侵された果物にはピンポイントで農薬を散布していた。
同農場の責任者である董剣峰氏は「AI技術の導入により農業の生産効率は飛躍的に向上した。かつては経験に頼っていた農業だったが、現在はデータに基づいて管理される時代になった。データ収集用などの補助ツールの研究開発により、農場は24時間体制で植物の成長データを蓄積しながら、植物保護、園芸、水・肥料などの全過程の追跡と監督管理を行う」と説明した。
従来の手法と比べると、このスマートシステムは農場の水使用量を80%、農薬使用量を90%それぞれ減らし、生産効率を15%以上高めている。
広大な農村では、AIやアルゴリズム、ロボット、ドローンなどが次々と導入され、科学技術の力で自然環境の保全に貢献している。
杭州北部の皋亭山には約333ヘクタール以上の森林があり、年間30万人以上の観光客が訪れる。今年の春には、ロボット犬とドローンからなる「空地偵察兵」と名付けられた特別な森林保護部隊が配備された。
皋亭山で森林警備員を11年務めている呉建忠氏は「皋亭山の標高は361.1メートルで、地形が複雑だ。我々は毎日山に2、3回登り、各地点を巡回しながら記録している。森林警備員の献身的な努力にもかかわらず、人による山の巡回には一定の死角や限界がある」と説明した。
ロボット犬とドローンからなる森林警備隊は人の代わりに危険な急斜面を巡回することができる。森林火災が発生すると、ロボット犬は毎秒10メートルのスピードで山を素早く上り下りし、消防用具や補給品などの物資を運ぶ。濃い煙や高温、有毒・有害ガスの環境下でもスムーズに活動できる。
同省は今年、「AI+」行動を深化させ、人型ロボットを含む新産業・新業態の展開を加速させるとしている。
(画像提供:人民網)