国際的なエネルギーシンクタンク「エンバー」が8日に発表した報告書「世界電力レビュー2025」によると、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの推進により、世界のクリーン電力の割合が24年に40%を初めて突破して40.9%に達した。この成果は世界のエネルギートランスフォーメーションが新たな段階に入ったことを示している。科技日報が伝えた。
世界の215カ国・地域の電力データを分析した同報告書によると、太陽光、風力、水力、原子力の発電量の増加により、世界のクリーン電力の割合が23年の39.4%から40.9%に上昇した。うち太陽光発電量は急成長を維持し、過去3年間で倍増。割合が23年の5.6%から24年の6.9%に増加し、29%の伸びを記録した。
エンバーのマネージング・ディレクターのフィル・マクドナルド氏は、「太陽光はすでに世界のエネルギートランスフォーメーションの原動力になった。バッテリーによるエネルギー貯蔵と組み合わせることで、太陽光は止められない力になるだろう。太陽光は、最も急成長している新たな電力源として、日増しに増大する電力需要を満たす上で極めて重要だ」とコメントした。
報告書によると、中国は世界の太陽光の成長を牽引している。中国の24年の太陽光発電量は250テラワット時(TWh)増加し、世界全体の増加量の53%を占め、増加量で世界2位だった米国の4倍に達した。
水力発電は引き続き最大のクリーンエネルギーで14.3%を占めた。これに原子力(9%)、風力(8.1%)、太陽光(6.9%)が続いた。バイオエネルギーや地熱などの他の再生可能エネルギーは2.6%だった。
報告書ではまた、熱波の頻発により世界の電力需要が大幅に増加した結果、化石燃料による発電量がやや増加し、電力業界の排出量も過去最高に達したと指摘している。
報告書は、今後の世界の電力システムについて、(1)太陽光発電が指数関数的な成長を続け、電力構造に占める割合が急速に上昇する(2)電力が他のエネルギー源に代わってグローバル経済を推進する中、電力需要が力強い成長を維持する-との2つのトレンドに支配されると分析している。