2025年04月14日-04月18日
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山東省青島市、再生可能エネルギーの開発・利用を加速

2025年04月18日

 中国山東省青島市ハイテク産業開発区はここ数年、再生可能エネルギーによる熱供給と余熱回収の推進や、「グリーン電力倍増」プロジェクトの加速などの措置により、熱供給過程における汚染物質や二酸化炭素(CO2)の排出増加量をほぼゼロにしており、CO2のストック削減を実現し、地域経済のグリーン・低炭素発展に原動力を与えている。経済日報が伝えた。

 同開発区にあるエネルギー施設では、数台の地表水源ヒートポンプと空気源ヒートポンプが稼働している。青島高新高科清潔能源有限公司の運営マネージャーである董康氏は「われわれは開発区内に3つのエネルギーステーションを建設した。総熱供給面積は138万平方メートルに上り、年間で標準炭消費量を15万トン近く節約し、CO2排出量を約37万トン削減している。削減されたCO2は炭素指標枠として炭素取引市場に入る。現在の炭素取引価格に基づくと、毎年3500万元(1元=約19円)の炭素取引価値を生み出すことになる」と説明した。

 同開発区は2022年以降、下水熱源ヒートポンプと余熱回収利用プロジェクトの建設により、総再生可能エネルギー熱供給面積を426万2400平方メートルとした。同開発区の総熱供給面積の44%を占め、22年以降の新規熱供給エリアをほぼカバーしている。再生可能エネルギーの熱供給過程においては大気汚染物質や固体廃棄物をほぼ排出しない。すでに年間で化石エネルギー消費量を標準炭換算で1万2494.4トン、電力消費量を2725万5000キロワット時(kWh)、CO2排出量を6万トン以上削減している。

 同開発区は21年より太陽光発電プロジェクトの建設を加速させている。現在の完成・建設中の太陽光発電総設備容量は70メガワット(MW)、年間発電量は6063万kWhに達している。中遠佐敦船舶塗料(青島)有限公司健康安全環境・品質保証マネージャーの鄧国棟氏は「当社は新設した太陽光発電屋根により、工場にグリーン電力を提供する。年間発電量は43万8000kWhで、工場の年間電力消費量の約10%を占め、CO2排出量を年間約292トン削減する見込みだ」と述べた。

 同開発区の工業企業の「グリーン電力」消費総量は8000万kWh以上で、全体の約20%を占めている。年間CO2排出量を5万1300トン、化石燃料の消費量を標準炭換算で9800トン、間接的に削減している。

 同開発区では、約5年間で二酸化硫黄の総排出量が93.4%、窒素酸化物の総排出量が30.3%、単位工業付加価値当たりのエネルギー総排出量が39.3%、単位工業付加価値当たりのCO2排出量が45.5%、それぞれ減少した。

 
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