2025年05月01日-05月02日
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中国、AI産業体系を形成 特許出願件数が世界1位

2025年05月02日

 中国では今年に入り、人工知能(AI)の基礎研究を継続的に強化するとともに、応用重視の姿勢を打ち出しており、新技術が具体的な応用シーンへと急速に浸透している。現在、中国では基礎、フレームワーク、モデル、応用の各レベルを網羅する完全なAI産業体系が形成されている。中央テレビニュースが伝えた。

 中国が独自開発した新世代のインテリジェント数値制御(NC)システムがこのほど、発表された。これはAIチップとAI大規模モデルを統合した数値制御システムであり、産業用工作機械の操作精度を従来のマイクロメートル単位からさらに30%向上させ、加工効率も5~10%向上させており、中国の産業用工作機械が産業チェーンの中・上流に進出するのを支援している。

 生産分野にとどまらず、サービスの現場にもAIが急速に広がっている。浙江省のある病院ではAI病院の構築が進められており、最近では難治患者のアラート追跡システムが新たに導入された。大規模モデルを活用することで、毎日3万件以上の検査報告から高リスク患者を自動解析・抽出することが可能となり、これまでに1万8000例以上を正確に特定している。

 中国科学院院士(アカデミー会員)で、浙江大学医学院附属第二医院党委書記の王建安氏は「私たちは常に、計算能力の独自制御、業界専用モデル、データの安全性と信頼性を堅持しており、研究データの発掘から病院管理の最適化まで、医療・サービス・研究といった多様な場面をカバーし、全体の連携が取れたスマート医療管理エコシステムを構築し、大量のリソースを節約している」と語った。

 最新データによると、4月9日時点で、中国のAI特許出願件数は157万6379件で、世界全体の38.58%を占め、世界1位となっている。中国はこれまで400社以上のAI分野における国家レベル専精特新(専門化・精密化・特徴化・新規性)「小巨人」企業(高い成長性または大きい発展のポテンシャルを持つテクノロジーイノベーション中小企業)を育成し、世界のAI産業規模の10分の1を占めており、完全なAI産業体系を形成している。

 中国は今年さらに600億元(1元=約20円)規模の国家AI基金を設立し、各地のAI科学技術イノベーション、産業発展、応用促進を加速させている。また、AIに関する監督管理体制・メカニズムを整備し、現在まで40件以上の業界重要標準と10件以上の国際標準を制定し、産業エコシステムの持続的な最適化を推進している。

 
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