技術革新が加速し、産業変革が促進される中、中国の人工知能(AI)技術が急速に発展し、応用シーンも絶えず拡大している。ドイツの工場や英国の物流センターからチリの農地に至るまで、中国企業は多様な場面でAIソリューションを提供している。人民日報が伝えた。
ドイツ・バーデン=ビュルテンベルク州ヴァルダハタールにあるドイツ・フィッシャー社の工場では、現地の従業員が外骨格ロボットを装着し、大型部品の運搬を行っていた。これらのウェアラブル型ロボットは、上海傲鯊智能科技が開発したもので、上肢や腰部、下肢など人体の部位をカバーし、AIアルゴリズムを通じて使用者が重い物を持ち上げるのをサポートする。
傲鯊智能のマーケティングディレクターである張華氏は「ドイツの工場は自動化率が非常に高いが、組立などの非標準化生産工程では、完全な自動化が実現できていない。外骨格ロボットは、こうした生産工程を支援する手段となる。われわれの外骨格ロボットは、運搬、緊急対応、医療リハビリなどが可能で、ドイツを含む海外市場の先端製造企業から評価を得ている。外骨格ロボットの導入により、使用者の負荷が大幅に軽減され、従来は人手で対応できなかった組立生産も可能となった」と説明した。
フィッシャー社の責任者であるマルクス・ケラー氏は「外骨格ロボットは、作業負荷の大きさや作業難易度の高さといった課題を解決でき、我々の作業効率を大きく向上させている。類似製品と比較して、傲鯊智能の外骨格ロボットは軽量で補助力が強く、コストパフォーマンスにも優れている。我々は生産現場で繰り返しテストを行い、肯定的なフィードバックを得ている。腕部には十分な支えが提供され、重い電動工具を持っても疲れにくく、腰部の補助も可能であるため、作業後の筋肉痛を軽減することができる」と述べた。
張氏は「今後、外骨格ロボットの海外における応用はさらに拡大し、主要なユーザー層も、企業顧客から個人消費者へと徐々に移行していくだろう。眼鏡が視力を矯正して目を保護するのと同様に、外骨格ロボットが骨格筋を補強し、四肢や関節を保護する。高性能で小型化した低コストの外骨格ロボットは近い将来、個人消費者の選択肢となる可能性がある」と語った。