中国安徽省合肥ハイテク産業開発区の雲飛路は、一定の間隔で「量子」という看板が設置されていることから、「量子大通り」と呼ばれるようになった。この「量子大通り」には30社以上の量子テクノロジー企業が集積し、量子コンピューティング・通信・測量の3分野を網羅し、中国で最も密集した量子産業エコシステムを形成している。人民日報が伝えた。
科大国盾量子技術(以下、国盾量子)の展示ホールでは、量子テクノロジー発展の歴史が紹介されていた。リアルタイムで映像が流れる大型スクリーンには、量子暗号通信「京滬幹線」の運用状況が表示されている。同社チーフサイエンティストの彭承志氏は「従来のデジタル暗号技術による情報伝送は、大規模な計算能力によって解読される恐れがあるのに対し、量子鍵配送は計算能力の向上に対応し、漏洩リスクを効果的に低減できる」と述べた。
2009年創業の同社は、合肥市の「量子通信試験モデルネットワーク」科学技術重要特別プロジェクトの建設を引き受けた。周雷副総裁は「このプロジェクトで量子通信ネットワークを構築したことにより、当社の技術が実験室の分散型試作機から一定の産業機能を備える試作機へと転換された」と振り返った。
国盾量子が生産する鍵配送装置は進化を続けている。展示ホールには、人の背丈に近い冷蔵庫型量子鍵配送試作機からビデオデッキサイズの最新製品まで展示されており、量子暗号通信機器の集積度が向上していることがわかる。周氏は「量子鍵配送システムは現在、多くの設備に直接搭載することができ、設置コストが低減している」と述べた。
国盾量子はこれまでの技術と応用の蓄積により、中国で最も大きく、最も広域で用途が最も多い量子暗号通信ネットワーク「合肥量子都市域網」と量子暗号通信「京滬幹線」の構築を主導した。さらに、量子衛星「墨子号」の打ち上げにより、暗号通信の範囲は都市域・都市間から宇宙空間へと拡張された。
合肥市科学技術局の呂波副局長は「当市は量子テクノロジーの革新的発展の重要な発信地で、中国全土の3分の1近くの量子テクノロジー企業が集積している。市全体の量子産業チェーンの川上・川下企業は70社を超え、国内最多となっている」と述べた。
量子コンピューティングの応用における重要な評価基準の一つは、従来のスーパーコンピューターと比べた場合の「優位性」の検証だ。中国の科学者チームは今年3月、105ビットの量子コンピューティングプロトタイプ「祖沖之3号」の構築に成功し、超伝導システム量子コンピューティングの優位性の記録を更新した。
本源量子計算科技有限公司の実験室に入ると、「本源悟空」と記された円筒形の大型装置が吊り下げられていた。これは国盾量子が研究開発した第3世代独自超伝導量子コンピューターだ。
「本源悟空」のリリースにより、合肥市は中国初の独自超伝導量子コンピューター製造チェーンを形成した。「本源悟空」はこれまで139カ国・地域から2000万回以上アクセスされ、34万件以上の量子コンピューティングタスクが実行されている。
量子産業エコシステムをさらに最適化するため、合肥は高度な産業交流プラットフォームの構築を積極的に推進している。量子テクノロジー産業大会、学術会議・フォーラムなどを開催し、量子産業全チェーン主体の参加を牽引し、川上・川下プロジェクト、イノベーション要素、人材資源を有機的に連携させ、量子テクノロジー企業の集積化を推進し、世界的な影響力を持つ「量子センター」の構築を目指している。

安徽省合肥市の2024世界製造業大会展示館で、超伝導量子コンピューター「本源悟空」の模型を見学する来場者。(画像提供:人民網)