授業中に学生が質問に答えると、人工知能(AI)がすぐに採点し、理解の不十分な箇所を示してくれる。授業が終わっても、AIアシスタントがいつでも質問に答えてくれて、宿題をする時は、学生がVR(仮想現実)ゴーグルを装着することで電力エンジニアに変身し、バーチャル空間内での電力点検作業を行うことができる。中国の武漢大学電気・自動化学院では最近、AIアシスタントを導入した基礎カリキュラムが注目を集めている。人民日報が伝えた。
授業が始まると学生たちはパソコンを開き、同大学が独自開発した「珞珈オンラインAIスマート教育センター」にアクセスして、電気工学基礎コースのページに入る。画面には「知識マップ」「問題マップ」「能力マップ」「目標マップ」などのアイコンが並んでおり、画面右下には関連分野の専門知識に基づいて大規模言語モデルが生成したAIアシスタントが表示されている。
「新エネルギーによる電力の割合が高まる中、電力網の安定性をどうやって維持するのか」。担当する唐飛副教授は、授業中にこのような質問を出した。
このような現実的で早急な解決が求められる専門的な質問にきちんと答えるには、現在よく使われているAI検索ソフトだけでは不十分になっており、AIアシスタントが登場し、資料の検索を手伝うようになっている。
AIアシスタントは武漢大学が関連分野の大規模言語モデルに基づいて構築したリアルタイム対話ツールである。例えば、電気工学基礎の授業では、3種類の異なる大規模言語モデルに基づくデータが活用されており、学生はそれらを比較・検討しながら思考を深めることができるようになっている。
学生が質問に答えるとすぐ、得点や理解不足のポイントが教室の電子ホワイトボードに表示され、教員はそれぞれの学生の学習状況や弱点を正確に把握することができる。
AIの導入により、学生の学習効果が高まった。学生の周天闊さんは、「複雑な問題は、関連する複数の小さな問題で構成されている。AIアシスタントを使う場合、まず『知識マップ』で基礎知識を理解し、『問題マップ』で課題を細分化して整理できる。わからない点があれば、いつでもAIアシスタントに質問できるので便利だ」と語った。
AIアシスタントは理論や知識の学習だけでなく、実践力の向上にも新たな手法を提供している。教員がマウスをクリックすると、変電所の高所現場作業をリアルに再現した映像が電子ホワイトボードに映し出され、学生はVRゴーグルを装着して、まるで3Dゲームのような感覚で学習課題に取り組むことができる。このVR体験空間はAI技術を活用して構築されたものであり、学生の実践スキルの向上に貢献している。
AI技術を「珞珈スマートグラフシステム」に組み込むことで、学生の学習データを分析し、目標や進度に合わせて、教員が学生の状況を把握できるようになり、デジタル時代の高等教育における「オーダーメイド教育」や「個別指導」の促進に寄与している。
2022年、中国教育部(省)は「国家教育デジタル化戦略行動」をスタートした。その後3年間にわたり、同部はAIを活用した高等教育支援のイノベーション試行事業を展開し、2回に分けて計50件の「AI+高等教育」応用事例を発表した。その中には武漢大学の「AI+専門マップによる革新的教育モデルの実践」も含まれていた。
現在、中国各地の大学では、教育用大規模言語モデルの活用が進み、教員、学生、スマート技術が有機的に連携・協働する「未来の教室」が。現実のものとなりつつある。