2025年06月23日-06月30日
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「千年の古都」北京が「AI第一都市」へと変貌

2025年06月23日

 中国北京市は3000年以上の歴史を持つ都市だが、近年はスマートで先進的な姿を見せ、そのイメージを刷新している。新華網が伝えた。

 ネイティブマルチモーダル世界モデル「悟界・Emu3」や深い思考が可能なAIエージェント「AutoGLM沈思」が開発され、「AI密度が最も高い」とされる成府路、知春路、中関村大街周辺を訪れると、あちこちにAIの存在が感じられる。

 米国から帰国して北京で研究活動を行う科学者の朱松純氏は「高度人材がここに集まり、産学研用(産業・大学・研究機関・ユーザー)が連携している。北京は中国におけるAI分野のイノベーション発信地であり、新たな技術と理念が生まれる場になりつつある」と述べた。

 智源研究院では、研究者がマルチモーダル世界モデルの開発に取り組んでいた。

 同研究院の王仲遠院長は、「AIが次の段階へと進化するには、デジタル世界から物理世界への移行が重要となる。AIが物理世界を『見て』『理解し』、どう影響を与えるのか。この先端的かつ壮大な課題に取り組んでいる」と語った。

 北京市科学技術委員会、中関村管理委員会情報科学技術処処長の韓健氏は、「北京は独自のイノベーションを継続的に推進し、エンボディドAIやAI+ヘルスケアなどの先端的かつ学際的な領域に焦点を当てており、将来の産業に向けた技術的な準備を強化している」と強調した。

 大規模言語モデルの波が押し寄せる以前から、北京市はAI分野で6カ所の全国重点実験室と3カ所の国家工学研究センターを計画・設立し、基礎研究、人材育成、ハイレベル学術交流を統合した高度な研究拠点を構築している。

 北京市は中国の陸地面積のわずか約0.17%に過ぎないが、そこには中国のAI企業の40%が集まっている。

 人材面では、北京市はAI人材に特化した政策を打ち出し、北京中関村学院を設立。革新的な方式で35歳以下のAI人材育成に注力している。

 韓氏は「北京は中国でAIイノベーション資源が最も豊富な都市だ。全国重点実験室は21カ所あり、国内の優秀人材の40%以上が集まっている。強力で長期的な支援策により、若手の複合型人材が活躍できる場を提供している」と紹介。2024年に市内のAI企業が2400社を超え、中核産業規模が約3500億元(1元=約20円)に達し、いずれも国内の50%以上を占めたことに触れ「北京は名実ともにAI第一都市になった」と語った。

 
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