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天舟9号の「宇宙宅配便」の中身とは?

2025年07月17日

 貨物宇宙船「天舟9号」は、有人宇宙船「神舟20号」および「神舟21号」の宇宙飛行士への物資輸送ミッションを担っている。中央テレビニュースが伝えた。

 専門家によると、天舟9号の搭載物資の総重量は約6.5トンに及ぶ。これには宇宙飛行士用物資、宇宙ステーションシステムのプラットフォーム資材、宇宙応用システム、宇宙医学や宇宙技術試験分野の実験サンプルや装置・設備などが含まれ、積載量の多さが今回の天舟9号ミッションの重要な特徴となっている。

 今回の「宇宙宅配便」には、新型の「飛天」船外活動用宇宙服が2着搭載された。それぞれD、Eと番号が付けられているこの宇宙服は、地上および軌道上での服装データの蓄積と寿命評価が行われる。

 中国宇宙飛行士科学研究訓練センターの尹鋭氏は「これまでに延べ42人の宇宙飛行士が21回の船外活動を行った。これらのデータと多数の地上実験データをもとに、初めて船外活動用宇宙服の寿命評価体系を確立した」と述べた。

 この寿命評価体系と性能改良により、「飛天」船外活動用宇宙服DとEは従来の「3年間、15回の使用」から「4年間、20回の使用」へと進化した。

 また、将来の有人月面探査ミッションで使用予定の新型月面着陸宇宙服「望宇」では、月面でのリアルタイム作業などより多機能になる見込みだ。

 今回、天舟9号で運ばれる物資の中には、宇宙ステーションに新たに導入される設備も含まれている。これは高さ1.7メートル、幅1メートル、重量約130キログラムで、「コア筋肉トレーニング装置」と呼ばれ、実験モジュール「問天」の壁面に設置される予定だ。

 同センターの許志氏によると、宇宙ステーションのミッションが進むにつれ、長期間の滞在が一般化していく。長期の無重力環境は筋萎縮や心血管機能の低下など、宇宙飛行士の健康に影響を与える。現在は宇宙ランニングマシン、宇宙自転車、微小重力下での抵抗トレーニング装置などを設置しているが、今後の長期飛行を見据え、コア筋肉強化のための装置を開発。これにより、脊柱起立筋の萎縮を防ぎ、帰還後の筋肉痛を緩和するという。

 コア筋肉トレーニング装置は、主にガスを抵抗源とし、内蔵されたガスタンクの充填・排出を通じて、出力抵抗の増減を実現する。地上で折りたたみ・調整・梱包された後、天舟9号によって宇宙飛行士のもとへ届けられる。

画像は人民網日本語版(CCTV提供)より

 
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