中国では、国家標準「生分解性プラスチック製レジ袋」が施行されてから5年以上が経過し、「プラスチック制限令」などの政策と併せて運用された結果、年間約200億枚の従来型プラスチック製レジ袋の使用が削減され、「白い汚染」と呼ばれるプラスチック廃棄物による環境問題が効果的に緩和されている。中国新聞網が伝えた。
同国家標準によると、生分解性プラスチック製レジ袋の原材料は、生物資源由来か、生分解性を持つ合成ポリマーでなければならず、これが「カーボン排出削減」に技術的な裏付けを提供している。
例えばポリ乳酸(PLA)素材を用いた生分解性袋は、従来のポリエチレン(PE)製レジ袋と比べ、総合的な炭素排出量を約70%削減できる。過去5年間で削減された従来型レジ袋の総量は、石油資源で120万トン、二酸化炭素排出で84万トンの削減に相当する。年間200億枚の従来型レジ袋の代替により、都市ごみ中の従来型プラスチックの割合も大幅に低下している。
同国家標準ではまた、生分解性プラスチック製レジ袋を「食品に直接接触する用途」と「食品に直接接触しない用途」の2種類に分類し、それぞれの用途や規格、環境保護・安全に関する表記を袋に明記することを義務付けている。これは、グリーン消費に対する消費者の期待に応えるとともに、環境意識の向上を後押ししている。市民の間では商業施設やスーパー、青果市場などで生分解性レジ袋を使用する行動が習慣化し、これが製造コストの低下と普及促進にもつながっている。
同国家標準は、生分解性素材に関する技術革新と産業革新の融合的な発展を促進しており、技術的なブレイクスルーにより、PLAやPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)などの原料コストは、従来型の生分解性プラスチックと比べて30%以上低下している。これが企業の生産意欲をかき立て、20社以上の主要企業のけん引により、浙江省や広東省などでは関連産業クラスターが形成されている。2020年から24年にかけて、中国における生分解性プラスチック製レジ袋の年間生産能力の複合成長率は毎年20%を超えており、24年には市場の総生産量が約50万トン、総生産額は100億元(1元=約21円)を超えた。30年には、生分解性レジ袋の中国国内生産量が200万トンに達し、市場規模は600億元を上回ると予測されている。