中国青海省互助トゥ族自治県の五十鎮班彦村は、同省初の「ゼロカーボン村」として知られる。村ではいったいどんなことが行われているのか。その取り組みを探った。中国新聞網が伝えた。
「班彦(バンヤン)」とは、トゥ族の言葉で「豊かで幸せな場所」という意味だ。だが、かつての班彦村はその名前とは全く異なる、山の中腹に位置する全国重点貧困村で、住民は長年にわたり、不便な交通や飲用水の不足、就職難などに悩まされていた。2017年3月には129世帯484人が移住を完了した。
移住した住民が豊かになるためには、産業の発展が最優先課題だった。互助県は専門家を派遣し、班彦村が豊富な太陽光資源と地形条件を生かし、太陽光による持続可能な開発モデルを構築するよう支援した。2017年には村内に2メガワット(MW)の太陽光発電所が完成し、同年末には電力網に接続された。その後も、屋根や空き地などのクリーンエネルギー生産ポテンシャルを掘り起こし、分散型太陽光発電の規模拡大や「太陽光発電・蓄電・充電」一体型駐車場、蓄電設備などを整備。2023年には持続可能なグリーン電力を供給できる系統連系型マイクログリッドが構築され、村全体でグリーン電力の「自家消費、余剰送電」の仕組みを実現した。
太陽光発電と植林・緑化事業を同時に推進した結果、班彦村は青海省で初めて「カーボンニュートラル達成」が認定された「ゼロカーボン村」となった。統計によると、2024年に村で消費されたグリーン電力は79万キロワット時(kWh)で、これは石炭使用量97トン、二酸化炭素排出量258トンの削減に相当する。
「今では、どの家の屋根にも太陽光パネルが設置されていて、料理、暖房、移動もすべてグリーン電力でまかなっている。余剰電力の売却によって、1世帯当たり年間2500元(1元=約21円)の分配金も得られる」と、村の解説員である郭万倩さんは説明した。
「薪から電気へ」の転換や、太陽光発電・蓄電一体型汚水処理などのプロジェクトが実施されたことで、電気暖房や水洗トイレが導入され、村民の衛生環境は大きく改善した。観光業の発展を追い風に、ある村民は空き部屋を民宿に改装。「数日前には西寧からの大学生13人を10日間受け入れ、5000元の収入を得た」と笑顔で語った。
村の東側にある伝統酒造所では、電気蒸し器が温度制御を行い、高原産の青稞(ハダカムギ)酒が芳醇な香りを放っていた。2023年、設備を電化することで生産効率が大幅に向上し、年間生産額は180万元に達している。
農園の点滴灌漑や換気設備、学校の多機能電子図書室、新エネルギー車の充電スタンドなど、村の至るところでグリーン電力が活用されている。技術と産業のイノベーション、政策支援と村民の努力が相まって、班彦村は地域資源を活かした発展の道を切り開いている。

(画像提供:人民網)