中国航天科技集団などが策定した2件の国際標準が、国際標準化機構(ISO)により発表されたことが11日、同集団への取材で分かった。これまでに、中国などが策定した宇宙分野のISO国際標準は30件発表され、発表済みと策定中の標準は累計38件となっている。科技日報が伝えた。
今回発表された「宇宙システム-打ち上げウィンドウの推定と衝突回避」(ISO 21740:2025)は、打ち上げウィンドウ分析と安全な打ち上げタイミングを特定する手順に関する要件、および衝突回避リスク評価マトリクス(安全距離・衝突確率)に関する制約と要件を規定している。単一の打ち上げミッションにおいて、新たに打ち上げられる物体(キャリアロケット、分離された宇宙機およびその他の物体を含む)と、その飛行経路上のあらゆる宇宙物体(航空機、軌道上の有人宇宙ステーションと宇宙機を含む)との衝突リスク分析に適用され、最適な打ち上げウィンドウとタイミングの決定に役立つ。
この標準は、中国、米国、フランス、日本の共同提案によるもので、中国宇宙標準化研究所が具体的な草案作成を担当した。
もう1件の「宇宙システム-衛星姿勢・軌道制御システムの安定運用要求」(ISO 16615:2025)は、衛星姿勢・軌道制御システムの軌道上における安定運用の定義を規定し、衛星の軌道上安定運用に影響を与える要因に基づき、衛星姿勢・軌道制御システムの安定運用能力の構築原則と要件を規定している。この標準は北京制御工学研究所が作成を主導し、中国宇宙標準化研究所がISO/TC20/SC14の技術対応機関としてISOと技術調整を行い、参加機関として標準策定の技術修正と議論に全面参加した。