有人宇宙船「神舟20号」宇宙飛行士チームによる3回目の船外活動に向けた準備作業において、宇宙貨物船「天舟9号」によって軌道上に運ばれた「悟空AI」大規模言語モデルが補助的な支援を行っている。人民日報が伝えた。
同モデルは軌道上で運用開始から1カ月間、安定した状態を維持しており、宇宙飛行士チームからのフィードバックも良好だ。
「悟空AI」は中国のオープンソースモデルを基盤に開発され、有人宇宙飛行ミッションの需要に応じて事前学習とファインチューニングを行い、専門分野向けの大規模言語モデルと、宇宙飛行の知識規範を中心としたRAGナレッジベースを構築している。同システムは、宇宙飛行士が軌道上で行う複雑な操作やトラブル対応などにおいて、迅速かつ有効な情報支援を提供し、より効率的な作業遂行をサポートするとともに、軌道滞在中の心理的サポートを充実させ、宇宙と地上の協同効率を高めるという。
「西遊記」に登場する知恵と勇気の化身である孫悟空のイメージは、困難に挑む宇宙プロジェクト従事者の精神と重なる。「悟空AI」という名称には、科学技術の知恵で宇宙事業を支え、宇宙飛行士の探査を後押しするという意味が込められているそうだ。