中国上海市は19日、「上海市における『AI+製造』発展加速のための実施案」を発表した。中国新聞網が伝えた。
上海市は、AI技術と製造業の深い融合を推進し、新たな工業化の活性化を加速させ、新たな質の生産力を形成することを目標としている。今後3年間の取り組みにより、上海市の製造業におけるスマート化の水準をさらに高め、コーパス、モデル、プラットフォーム、シーンなどの分野で複数のイノベーション成果を形成することを目指す。
同市は、製造企業3000社におけるスマート応用の実現、10件の業界標準モデルの構築、100点の標準的なスマート製品の形成、100件のモデル応用シーンの普及などを推進する。また、総合統合サービス事業者を発展させ、競争力を備えた専門サービス事業者を多数育成し、製造業のスマート化発展のエコシステムを形成していく。
実施案によると、「AI+製造」工場建設において、AIエージェントの高密度分布やマルチシーン統合を特徴とする「AI+製造」モデル工場の建設を推進する。空間計算やマルチエージェント協調などの技術を総合的に応用し、各種シーンモデルやスマート製品・設備を集積する。
また、人型ロボットをはじめとする多様なエンボディドAIの典型シーンにおける実用化配備を進め、各種産業ソフトウェアシステムを連携させ、動的感知能力を高める。これにより、ソフトウェア定義工場、完全オンデマンド製造、スマート工場ネットワークなど新たな製造モデルを体現し、標準的な模範効果を形成する。
注目すべきは、実施案がロボット応用の加速を打ち出している点だ。電子情報、自動車、設備などの重点産業において、反復性が高く、危険性が大きく、健康に害を及ぼす作業で産業用ロボットの応用を展開し、生産効率と安全性を高めることを支援する。また、組立、溶接、塗装、物流搬送などの工程で、スマートロボットの大規模応用を推進する。鉄鋼、造船などの産業においては、人とロボットが協働するスマート製造作業ユニットを構築し、複雑な工程の無人化を実現する。さらに、産業シーンにおける人型ロボットの安全性・信頼性の検査方法を策定し、製品の認証取得後の実運用を推進していく。