中国初となる「全国茶葉カーボンフットプリント・デジタルプラットフォーム」がこのほど公開された。これは、茶葉の全産業チェーンにおけるカーボンフットプリント管理に特化したもので、国内で統一した農産物カーボンラベル認証制度の構築に向けた道筋を探る狙いがある。新華社が伝えた。
中国国家発展・改革委員会などの機関は2023年、「製品カーボンフットプリント管理体系の構築加速に関する意見」を発表した。同意見では、中国の状況に合致した製品カーボンフットプリント管理体系の確立を推進し、重点製品のカーボンフットプリント算定方法と標準体系を整備し、製品カーボンフットプリントの基礎データベースを構築することが打ち出されており、カーボンラベル認証制度を推進し、応用シーンを拡大・充実させ、製品カーボンフットプリント管理体系が生産・生活様式のグリーン・低炭素トランスフォーメーションを促進することを提起している。
中国農業科学院茶葉研究所茶樹栽培工学研究センターの李鑫氏は「今回公開されたプラットフォームは、茶産業におけるカーボンフットプリントの算定・定量化体系とデータベースを構築するとともに、カーボンフットプリント認証結果の幅広い活用を推進するものだ。例えば、消費者がQRコードをスキャンするだけでその茶葉がどれほど『グリーン』であるかを確認でき、将来的にはカーボンオフセット取引にも利用され、茶産業のグリーン成長を後押しすることが期待される」と説明。「エコ低炭素茶とは、優れた品質・安全性・低炭素の特性を備え、専門機関の認証を受けた茶製品を指す。このような茶葉では、認証を受けた茶企業が茶畑とその周辺の生態環境を構築・管理し、環境が美しく茶樹の成長に適した茶畑生態系を形成することが求められる。同時に、排出削減や炭素固定の措置を通じ、茶畑管理や茶葉加工の過程での炭素排出を抑制する」と述べた。
中国のエコ低炭素茶は、すでに国連食糧農業機関(FAO)の「一国一品」プロジェクトに選ばれている。同プロジェクトはFAOが2021年に始動した5カ年計画で、健康食品へのアクセス拡大、農家の生活改善と経済成長促進、食品ロスと廃棄の削減を目標とし、化学物質や天然資源の使用を最小限に抑えることで、農業生産が環境や生物多様性に及ぼす悪影響の軽減を目指している。
中国のエコ低炭素茶は現在、16の省(自治区・直轄市)で普及しており、認証を受けた茶企業は131社、対象茶畑は約6867ヘクタールに及び、影響範囲は約6万6700ヘクタール以上に達している。