中国重慶市で5日から8日まで開催された2025世界スマート産業博覧会で、ロボット開発企業「思霊機器人(AGILE ROBOTS)」のブースが大勢の人で賑わっていた。同社のロボットアームは、センサーを通じて筋肉の凝っている箇所を感知し、マッサージができるという。新華社が伝えた。
この「大白」という名前のロボットアームは、触覚センサーとAIアルゴリズムを通して、体験者にマッサージを提供することができる。体験した来場者からは「経験を積んだマッサージ師よりも上手」との声も上がっていた。
「AI+」と「スマートコネクテッド新エネ車」というテーマに焦点を合わせた今回の博覧会には、中国内外の企業約600社が出展し、スマート産業の革新的成果3000件以上を披露した。スマートロボット展示エリアでは、伝統的な工業の境界を打破した新製品が特に注目を集めていた。
歌やダンスが得意な人型ロボットから、ロボット掃除機、ペット型ロボット、リハビリをサポートするバイオニックデバイスに至るまで、「人の気持ちが分かる」スマートロボットが今、一般家庭でも普及し始めている。
重慶の明月湖国際スマート産業テクノロジーイノベーション基地(Industrial Innovation Park)のブランド運営責任者である奚娥娥氏は、展示された製品を紹介しながら、「ロボットは鋼鉄に覆われた冷ややかな機械ではない。温かみのあるテクノロジーを実現しなければならない。今回は、点字読み上げのボトルネックを打破した点字ディスプレイ『咫尺』、健康診断してくれるスマートベッドサイドランプ、モジュール化できるロボット草刈り機、モバイル充電スタンドに『変身』できるEVキャンピングカーなどを展示している。これらの革新的な製品は、インドア、健康、アウトドアといったシーンをカバーしていて、スマートロボット技術が一般家庭にも恩恵をもたらすことを示している」と説明した。
これらの製品の背後では、中国のスマートロボット産業が急速に発展し、構造のモデル転換を実現している。2025世界ロボット大会のデータによると、中国は12年連続で世界最大の工業ロボット市場の座を維持し、2024年のサービスロボット生産台数は前年比34.3%増の1051万9000台に達した。世界的な金融グループ・モルガン・スタンレーの報告によると、中国のロボット市場の規模は2028年には1080億ドル(1ドル=約147円)に達し、うちサービスロボットの複合年間成長率(CAGR)は25%に上ると予測されている。
博覧会のスタッフは、「千元(1元=約21円)台の製品がスマートロボット購入に対するハードルを下げており、より多くの人が技術の恩恵を受けられるようになっている」と述べた。

(画像提供:人民網)