珠江口盆地に位置する中国初の海上二酸化炭素(CO2)貯留実証プロジェクトの累計炭素貯留量が1億立方メートルを上回ったことが、中国海洋石油集団への取材で分かった。中国の「ダブルカーボン(CO2排出量ピークアウト・カーボンニュートラル)」目標達成を加速させ、経済・社会のグリーン化・低炭素化を実現する上で重要な意義を持つとしている。中央テレビニュースが伝えた。
海上CO2貯留実証プロジェクトが実施されている「恩平15-1」油田は珠江口盆地にあり、高濃度のCO2を含む油田だ。同集団は地質貯留層、掘削・坑井完成、工学統合などの重点課題研究を進め、2023年6月に中国初の海上CO2回収・貯留プロジェクトを稼働させた。産出される原油・ガスに含まれるCO2に対して分離・脱水乾燥・圧縮を行い、注入井を通じて油田の浅い水層に高圧で注入することを実現し、年間4000万立方メートル以上のCO2を貯留している。
今年5月には、新たなCO2利用プロジェクトが稼働した。これは、油田開発で発生するCO2を超臨界状態に加圧し、地下の貯留層に注入するもので、原油の20万トン増産を達成することができるという。この技術は、海上におけるCO2の回収、貯留、利用に関する設備、技術、工学サプライチェーン全体のアップグレードを実現し、「CO2で油を押し出し、油でCO2を固定する」という海洋エネルギー循環利用の新しいモデルを切り開くものとなった。