5年前に約1400社だった中国のAI(人工知能)関連企業は、今では5000社を超え、平均すると約11時間ごとに1社の新しいAI企業が誕生した計算になる。新華社が伝えた。
中国工業・情報化部(省)の辛国斌副部長は重慶市で開催された2025年世界スマート産業博覧会で、「中国のAI企業はすでに5000社を超えた。また、国家レベルの『専精特新(専門化・精密化・特徴化・新規性)』を特徴とするAI分野の小巨人企業(高い成長性または大きい発展のポテンシャルを持つテクノロジーイノベーション中小企業)も400社を超えた」と説明した。
中国の現在のAI企業数は5年前の3倍以上になっている。「中国インターネット発展報告(2021)」によると、2020年のAI企業数は計1454社だった。
中国はここ数年、AIの発展を非常に重視してきた。2017年7月には「次世代AI発展計画」を発表した。今年8月に打ち出した「『AI+行動』を深く実施することに関する意見」では、人と機械の協働、境界を越えた融合、共創・共有などによるスマート経済・スマート社会の新形態形成などを打ち出した。
辛氏は、「中国には基本レベルのスマート工場が3万5000カ所以上あり、先進レベルは6300カ所以上、卓越レベルは230カ所以上ある。また国家AIイノベーション応用先導エリアは11カ所、国家級スマートコネクテッドカーテストモデルエリアは17カ所ある」と紹介。「中国は総額600億元(1元=約21円)規模の国家AI産業投資基金を設立し、AIテクノロジーサービス倫理管理規則を策定し、中国-BRICS人工知能発展・協力センターを設立するとともに、AIコア技術分野の標準240件以上を策定し、産業エコシステムの持続的な改善を推進している」と述べた。
今回の博覧会の会場では、さまざまなAI応用シーンが見られた。人型ロボットがサッカーやボクシングの試合を行い、ロボット犬が「バク宙」をして会場を盛り上げていた。外骨格ロボットが歩行困難な高齢者をサポートし、AIビジュアル品質検査システムが新エネルギー車のスキャンと検査を迅速に行っていた。
博覧会に出展した楽聚(深圳)機器人技術有限公司の黄珍祥氏は、「中国のAI発展のスピードはますます加速している。人型ロボットを例にすると、これまでの製品は一般的に2年に1回のバージョンアップが行われていたが、今では1年に2回行われている」と述べた。
中国科学技術協会の万鋼主席は、「中国のAI産業が健全な発展を遂げているのは、先行国の経験を取り入れると同時に、自国のデータ資源の豊富さ、整備された産業システム、幅広い応用シーン、巨大な市場規模といった優位性を十分に生かしているからだ」と語った。

(画像提供:人民網)